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 怒り狂ったアクエルオは四方八方に攻撃を繰り返す。水の都の神殿にはおおよそふさわしくない行為。 廃墟はより廃墟へ。水は水でしぶきをあげて。池や湖は叫びをあげる。

「ブッブー。残念でした。ってこの声がどこから聞こえて来る?」

「あっ! 足元! いつの間に!?」

 モナはちょこんと膝を抱えて座っていた。

「ブッブー。残念でした。ってこの声がどこから聞こえて来る?」

「!? ……く、くそったれ。また残像たぁ舐めてくれるじゃねぇかぁああああ!!!」

(あっちは……、んふふふっ、ナフトちゃんならやってくれそう)

「ブッブー。残念でした。ってこの声がどこから聞こえて来る?」

「クッォォォォオオオオオオオオオ!! テメェのハラワタ掻き出して食いちぎって噛み砕いてやるぅぅぅぁぁぁぉぉおおおっ…………お?」

 一度目の全方位攻撃の先端全てから、更に全方位攻撃を食らわすと思っていたようだ。何かおかしいことに気がついたのだろう。

「ブッブー。残念でしたぁって声出せるのは影武者だけではないよねぇ、切れ者さん?」

 度肝をを抜かれたアクエルオの顔がそこにあった。

「モナのテクは上手でした? ちゃんと逝けますかねぇ?」

 何度かの水との激突の時、あるいは大気中に待機させておいたナノマシン。水の中に入り込み。防御と同じ要領。矛先だけを変える。その先端は重力の助けを受け。――貫く。アクエルオの体。足を少しと胸から上を除いて。水に砕かれた。断末魔の叫びのような金属でできた爬虫類の声帯から絞り出るような声で、

 無理やり音を出したような声が聞こえた。紛れもなく水使いの口から。

「今度は、モナが説明する番ですね。って、生きてるのぉ? あなたも傀儡(くぐつ)? なワケないかぁ~」

 アクエルオの顔はより黒みを増していた。しかも、まばたきをするばかりであった。

「ま、いっか。実は実は! 本体は『ナイトボアまぁくつー』の中に入っていました。本体が見えていれば執拗にはサブを狙わない。本体と思っていたものが偽物と気づけば、本物しか探さない。あらゆる可能性を考えようとしても、基本事項の中でしか探せなくなるっ」

「いづ、()わったんだ……本物(ぼんぼの)偽物(にぜもの)……?」

「それはさっき言いました。あなたが屈折率を……、ああ、声帯から声が出ないだけじゃなくて。血が巡ってないので、おバカさんになっちゃったのね? そうすれば、あなたは『モナ』を第一優先にします。『モナ』の姿は空中に置きます。すると、上しか見ないあなたがいました。近くまで行ければ、水の矛先さえ変えればあなたを貫けますっ! 水との相互関係があるのだから、水属性は吸収だとはなりませんっ!!」

 ふと、考えるポーズのモナ。

「あと、あなたは政敵に担がれたんじゃない? ここに二名って相当な不利ですよぉ?」

 少し間をおく。相手もネットのようなもので会話を傍聴している可能性があるから。


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