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「間一髪って表現使うと間万髪くらいですね! アクエルオさん」
「ただの一発ならばな、誤射かもしれないよな?」
次は数回剣を地面に刺した。予測できるパターン。相手が使える水の量は無尽蔵なのかもしれない。
「あー、ナノマシン展開も無駄だぞ。それとジークムント・エフェクトもな。前回はそれで骸骨になっちまったザザムクレンの民が多かった。対策を施すのに、第四帝国の神官達が新たに魔法を練った。国家予算の数パーセントを使ったそうだよ。ああ、かわいそうな骸骨達……ヒッヒッヒヒヒ」
会話の長さが増えている? 水の量は、長剣を地面に突き刺してからの時間に依存する? そんな思考ができる。
「相方さんにも聞かせてやれよ。一般国民が骸骨化したんだぞ? お前たちのせいで。あの骸骨が兵士だとか、俺たちの眷属だとかいう妄想には付き合わないからなぁ。あれは普通の人間だった。市街地が丸ごとやられたんだ。ヒヒヒ、俺とは無関係の街だったがな。しかし、お前は殺したんだぞ。無抵抗で純真無垢な子供まで。そうそう、小さな骸骨はいなかったか? それが……」
聴覚を一時的にシャットダウンする。これは心理戦。何も保証はない。ジークムント・エフェクトで、相手方の物理法則をかき乱したことまでは否定できなかったが。その間に、想像通り数が増えていた。
(やはり剣を突き刺してからの時間に依存している……。と、考えるのが普通の一流ですね。明らかに会話の流れが不自然でしたぁ。それに、心理戦なら最初に言っておいた方が効果的でしょに。何せ、決まれば一撃なんだからぁ)
水の太槍は八本になった。乱れた動きを見せている。
(そして、予測させないようにして連打ってパターンでしょ?)
そして、予測させないように、アクエルオは畝らせて、連撃がくる。とっさ、モナはナノマシンで防御壁を作った。 さらに、すべてを交わす。防御壁は保険の代わりに使ったつもりだったが、一枚こちらの手数を見せてしまった。しかし、未知の相手には慎重に慎重を重ねて良い。電子脳がそうモナに告げる。
(くぅーっ、相手に電子兵器があれば瞬殺なのにぃ~。対第四帝国人戦がこんなにも難しいなんて……めっちゃくちゃ、面白いです。 愉快、愉快なお遊戯会っ!!)




