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「強引に突っ込んできたら、受け入れたやらないとっ。戦場でもベッドの上でも、ライブハウスの裏でも、ね?」
目をうっとりさせるナフト。一方、大気はねっとりとしている、あの時より濃密。魔術的特異点は例によって目視は難しい。歪で禍々しい存在感が周囲を支配しているのだけ。モナは敵の姿を立体センサーで再構築していた。大気に多少のナノマシンを混ぜる。情報が拡散しないように、ごく小さな花粉のような形態にする。数は多くしない。敵にバレては元も子もない。ハエ叩きより簡単に索敵できた。第九世代の電子戦機は、全環境にて有利な情報をもたらす。左は水と窒素・炭素の化合物で出来ているみたい。まぁ、ほっとんど人間と同じですねぇ〜。水の比率は多めだけれども。右の方はあの何本か剣を持っている、ってか隠してるっぽいね。体は小さいけど、あっから様な武闘派って感じぃ」
とモナは分析した結果を告げた。
「それとね、第四帝国の面々ってぇ、構成物質が不明な場合があるのぉ。今回もそぅ。何が起こるは全くナフトちゃんの言う通り、アンノウン。注意する?」
「必要最低限は。……少しトラップに乗ってやるくらいでいいと思う」
「何で?」
楽しむため。
「敵が全く動かない。警戒しているのかもしれないね。だからさ、先っぽだけでも入れさせてやるって姿勢を見せないと……。勃ってこないだろ?」
「挿れさせるのはいいんだけど、どうやってぇ?」
「……不明」
「じゃさ、じゃさ、どっちがい〜い~?」
「二人とも、ってのはナシ?」
「ヤダ、ダメ、絶対にモナちゃんも殺るのですぅ!」
「じゃ、選んでいいよ。安心して寝盗りはしないよ」
「モナは機械化されているし、水中ではナノマシンの動きが悪くなります! 展開速度が遅くなるためですっ! 水ってねっとりし過ぎぃ~ というワケで、モナが『ソードマスター』さんの相手します! 複数数の剣使いって存在感があってかっこいいぃぃ~!」
「……って考えるよね。グーにはパーって。火には水って。でもね……」
ナフトは背中の二股に分かれた大剣を引き抜く。極めて小さな機械音とともに、射撃モードに変換する。 音叉の幅が縮まり、グリップが出現。マシンガンから、グレネード弾、ライフル弾まで射撃可能。と、その時。
「ほら、あそこ見てみなっ。おいでおいでしてるよ」
「ふむふむ、ガチみたいですねぇ」




