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【この瞬間で的確な命令、やるねぇ『夜』さん。『エース』のポジション狙っているの?】

 そんなことを言ってたと思う。これは、緊急時のメッセージだとは思えない。私は返信をしないことで、メッセージとした。

     ――今なら緊急時のメッセージに思える。

     ――戦いが楽しいから、遊べるから。

     ――実にねじ曲がっているけどね。

     ――それが事実だからさ。

 まぁ、記憶の変化なんて、簡単に起こるんだろうけど。 私の妄想で補っている部分もあるかもしれないけど。そして、特務80のジャマーが六五式バズーカを放った。骸骨は跡形もなく爆発(ばくはつ)離散(りさん)した。剣も盾も骨も(むくろ)も。味方の一部すらも。対装甲車用の撃墜(げきつい)(ぎょ)『アーチャー・フィッシュ』と呼ばれるだけに、()慈悲(じひ)。妨害工作員『ジャマー』に助けられた。でも、数で圧倒されつつある。指針が欲しい。やがて、各小隊が。(時に分体までだったっけ?)それになって大規模な交戦が始まった。つまりは、目の前の敵に躍起になり。余裕がなくなり。徐々にアイグラスが機能しなくなっていった。骸骨は決して強くない、知能も犬ほどもない。ただ、大きな音に早目、スピードに反応。持っている剣で、斬る、裂く、叩く、投げる程度のことしかできなかった。『鷹』はそれを知ってか知らないでか――いや、いやいや。知っていたに決まってる――人工筋肉を駆使して、人を超越して跳躍していた。銃剣にモード・チェンジして少ない手数で多くの骸骨を粉砕、撃滅(げきめつ)。そのような攻撃が各所で行われるも、数は戦略を圧倒した。数とは暴力の指標でもある、でしょ? 開戦から一五分余りで、私たちの分体だけでも一二〇体は倒していたはずだ。事実、地面には骨や剣の残骸ばかりで動きにくくなっていた。()()帝国(ヴィン)陣営は雑務兵と偵察アンドロイド数体を残して旅立った。事実、魔術的特異点はその大きさを増している。形勢不利、と上層部は(にら)んだらしい。嬉しい誤算だった。余計な人命が無くならなくて済むから。ホールを構成するは。粒子たち。動きが変わって。私たちはひたすらに。骸骨兵を蹴散らす傍。目の端が捉えていた。粒子は、点をなし。やがて線をなした。線は面や曲面となり。人の顔を構成した。

『ふっふっふっふっふっふ。ああぁぁーーはっはっはっはっはっは!』

 ルーベック教授、だったもの。その顔がどす黒く、ホールの手前に浮かび上がった。恍惚(こうこつ)憤怒(ふんど)を混ぜて2で割らない、そんな顔だったように記憶している。その声は、死んだカエルの生態を、金属の糸で復元した、そんな異形の声帯から発せられる声。「最初に挨拶を交わすのは、単なる虫だろう。あなたの持つ全てを絶滅の(ほうき)()ぐが、複雑に動く天使がそれを助けるだろう! メルルナ記第三六章二九節ぅうっ! これが予言ささされていたたた内容なんだぁぁああッッ! すっ、ヒヒッ、グヒヒッ、全ててては()()帝国(ヴィン)が治めめよよよう。いやいや、キシェーーーーー!!!この私がががっ、世界のののっ、私こそそそがががっ。世界ににに冠されれるるる覇者とととっ、なななろろろうううう!!」

 鼓膜にまとわりつくような声のような音、のような声。異形。奇怪。嫌悪。不快。パラノイアの偏執(へんしつ)。 肌で感じられた。


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