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「モナァァァァァァアアア!! お願いだァァアアアアアア!! ジークムント・エフェクトだけは切ってくれぇぇぇえ!!」

 ゲーベル博士は叫んだ。が、しかし。叫び声が幸運をもたらすことは少ない。経験がそう感じさせていく。そしてこの叫び声も……。

 後に聞いた話を統合すると、そしてまとめて考えるに。特異点は何が起きるか分からないポイントなので、ジークムント・エフェクトを使うのは人類滅亡規模で危険なことだったらしい。だから、ゲーベル博士は大声でモナに伝えた。大声だったから、最初に死んだ。音や動きに反応するタイプの「操り人形」のような敵。しかし、訓練されていない博士(にんげん)を殺すには十分な力を持っていた。敵を攻撃する条件は整っていた――正しい清い存在と引き換えに。私たちは夢中でマシンガンを掃射した。とにかく、見える(まと)にはダメージを与えてやろうと。なんとか、見える敵の数を減らしてやろうと。リックは何か秘めごとでもあるのかもしれない。燃料気化爆弾を打つのをこらえていた。大火力で戦局が変わることを理解していたのだろうか。

 さて、凛とした背中が見えた。そう、懐かしくて強くて素敵だった。私と同じくコードネームを持っている。本当の大剣使い『(たか)』は、ホール方面へと向かった。白兵戦なら相当するものが(みな)()。大剣を時に棒術のように、時に槍術のように、そして、銃技のようにも使う。舞台(せんじょう)では、コードネームとは別の尊称が与えられていた。――『創造(クリ)(エー)が(タ)造っ(ーズ)た(・)バグ(チート)』 強力無比な存在。どんな局面も翻し。どんな環境もものともせず。ただただ勝利し続けた存在。リナ、エッジと私はサブマシンガンをホールに合わせて『鷹』の背後警戒をした。一体が出終わると、二体、三体・四体・五体と次々に姿を表す骨野郎。私は分隊長的に命令を発した。

「エッジはこのまま『鷹』のサポート。リナは私と一緒に陣地確保をする、いい?」

「「了解ラジャー!」」

 2と1となって、散会。敵との数的な量は等しい――一人一体の計算……このままの通りならば、の話。 幸か不幸か、『鷹』は骸骨の十数体を斬り捨てていた。骸骨のイメージか、音を立てて復活するかと思いきや。そんな様子はなかった。他の特務80のメンバーは4人が一分隊を構成して、次々に敵を撃っていた。

 骨はどちらの世界でも骨、らしい。現代兵器の前では、雨粒を散らすよりも簡単だ。全軍の士気も最高潮だったのが、この頃だった。簡単で士気も上がり続ける、はずだった頃。小気味良い音を立てて崩れる敵性兵士を見るのは、退屈ではなかった。むしろ、このまま単純(イージー)作業(ジョブ)になってしまうのが、怖いくらいだった。私のサブマシンガンも敵を三体撃ち抜いていた。弱点が頭部や股間部なのも、人類と共通だと知った。

 重要なことは常に。常に優先して考えるべきであった。装備や技術だけでなく、環境や条件を意識するべきでもある。特異点というイレギュラーが、皆を強烈に緊張させ、あっさりと倒せるとう弛緩。これもまた、()(ザム)(クレ)()の作戦の一環だったのかもしれない。不運なことに、たったの一名しかこの事実に気がついていなかった。――『鷹』が最初に異変に気がついたんだった。大声で連呼して、アイグラスにもメッセージが入った。

「………ぃ……ぁあああ、…え………ている……ぉおおお……おおおお」


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