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 堂々たる様でゲーベル博士は言った。

「そして、この私が特異点であるとぉぉぉおおお!!」

 教授は天を仰ぎ。血眼(ちまなこ)になって叫ぶ。そして、すっと表情を戻した。落ち着いた賢い人間は目で分かる、そんな表情が見て取れた。 

「――んぁっはっはっはっ。いいんだよ。それでいいんだよ、安心してくれたまえ。不安がることは、決して非科学的ではないのだからなぁ、ゲーベル君」

 ルーベック教授は顔をゲーベル博士に近づけて言った。そして顔を近づけたままに。

「弱いのをまず一匹捕まえて、第(N)一(I)帝国(C)と()()帝国(ヴィン)とで分割しよう。そして、原理の単純な魔法を解析し終えたら。そうだなぁ、中くらいの魔法を扱う存在を捕獲するんだ。あっちにもまた世界や文明や衝突があるのだからな。途中から奪える。実に都合が良いではないか。そうだろう?」

「一匹? 魔法? なぜそんなことが言えるんですか!?それはもう、科学でもない。単なる妄想か夢うつつの戯言(ざれごと)だ!」

 やはり、ゲーベル博士の基本的な考えのベースは科学にあった。

「そんな話はもういい。並行はどこまで行っても並行のままだ。これには納得せざると得まい? それに、耳に入ってこないか? このファンファーレのような……荘厳で重厚な音が」

 大気と空気が乱暴に、そして小刻みに叩かれる音が聞こえた。一つ聞こえたかと思うと、その奥に群れをなしていることが音でわかる。

「敵性勢力が出て来たら、彼らの出番だ! 第一帝国屈指の部隊、特務80航空(こうくう)火力(かりょく)(ぐん)だぞ!!」

 ――特務八〇。――私が核ミサイルに恐怖を覚えるようになった元凶。――この航空火力群には、非公式で核が載せられていた。――朝方(このひ)のブリーフィングで…………瞑想(いま)を溶かしてはならない。こんなコンプレックスは複合(コンプレッ)(クス)のままにしてはならない。あぁ、軽い吐き気。感じてる、かも。自身の感覚が弱体化した時こそ、集中する。映像が鮮明になって再び動き出す。

「……分かりました。私は……、私も魔術的特異点の観察をしようと思います」

 諦めたゲーベル博士。マッドサイエンティストには何を言っても無駄だと気がついたのだろう。自分より最終的に上なのは、ルーベック教授であることにも理由はあったのだろう。

「そうだそうだぁっ! 臆病者はそこで見ていろ! そうだなぁ……そうそうっ、前祝いでもしておけ!

 怖いなら祈ることもお勧めするぞぉっ! 創造主になぁっ!!」

 強気のルーベック教授。

「お二人とも、そろそろ始まる様ですよ」

 私はそう伝えた。 すると。

「なんで『始め』があるんだ? 特異点ってことはこちらの物理的解釈は――」


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