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旧文明が第四次非核大戦を起こした時に、貴重な文献は散っていってしまった。それを伝えるには、写本が残された。写本には時代時代を反映して、尾ひれが付く。一般的にはな。がぁ、しかし、だ。写本を写す人間には、監査員が必ず付いた。それは君も知っているだろう?」

「………」

 そう、ゲーベル教授は相手の話を止めなかった、微塵たりとも。

「はっはっは。『知らざる者口を閉ざすべき』か? まあいい、もう少し付き合いたまえ。我々のためなのだ。……ちょうど、まだ3つの帝国が誕生しなかった頃、つまり核戦争をしていた頃だ。私の先祖は地下シェルターにこれを残した。これは口伝で伝わってきた真実の書だ!! ……創世(アル)の(ヴァ)()とも合致するのだよ」

 ルーベック教授が主張する説の根拠は、かなり古い。それだけが分かったんだった。

「なぜ、口伝だと真実を語る書となるのだ?」

「ルーベック・ズシェール・ルーベック。私の本名だ。後に判明することになるんだろうなぁ。ズシェールの一族は、真実を口伝する、どの政府にも加盟しない特殊な一族。私が発案した、文明(ぶんめい)作用(さよう)兵器(へいき)。あれがルベド文化賞と自然科学賞を同時に得るのが、私だけの発想でできたと思うのかね?」

「ち、違うとでも言うのかっ!?」

「ああ、違うねぇ。あれは書いてあるもののほんの一部を公開しただけ。公開しないと、お金が入らないからね。研究費用が莫大だったんだよ。ほら、僕の家・ルーツとか、ほぼ遺跡になってるでしょ?」

「つまり、過去の文明は、(だい)(よん)帝国(ていこく)……。あなたに合わせて、あえて魔界(まかい)とでも言いましょうか、それと交流があった? …か、仮にだ、仮にそうだとしても『安全である』保証はないはずです!」

「はっはっは。私も『安全である保証』などしてないよ。それと第四帝国は以降、ザザムクレンと呼びたまえよ」

「まったくふざけている! 全隊員を撤退させるように進言すべきだ! あなたは、理由の不明確な幻想か妄想に取り付かれている!」

 そう、強い語気でゲーベル博士は言っていた。

「間も無くわかるよ。百聞は一見にって、ほら? 言うだろう?」

「部隊が危険すぎる!! 貴重な人命だ!!!」

 今まで見た中で一番真剣な眼差しだったかもしれない。生きて欲しかった、かな……。

「まぁ、見ていたまえ。君が考えるよりはずっと素晴らしい世界が待っているぞ。この世は科学と魔法が混在し、大発展を遂げるのだぁッ!!」

 ルーベック教授は両手で何か大きな物でも囲うようにしていた。大方、世界征服でも考えていたのだろう。 偏執(パラノ)(イア)、ただのそれならよかったんだ。

「なぜ利益が出てくることを期待するんだ? 友好的である証拠は?」

 ……尋ねるには一理どころか、がある。


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