表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/111

44

(そら)を舞う。エア・バイク。そんな風に呼称できるだろうか。(くう)を切る羽。定点エネルギーを使うために着いているは。タイヤ状のゾーグ機関の車輪が前後に二つ。全体的に黒みを帯びている。それは、深夜の闇に溶け込むため。『()(だか)』のように見えるシルエット。誰の趣向だろうか。青い光を定期的に出していて。

 それは、ナノマシンでの索敵目的以外の何物でもない。遠くから見た者には、高速のホタルが見えることだろう。一方、ナフトが座る空間は広く備わっている。物量に限界があるためか、外気に触れてるとは言えども。さて、モナが座る空間は? 否、モナはこのエア・バイクと同化している。ちょうど『あの時』のように。モナにゆりかごのように包まれているナフト。重力や揺れはなるべくモナが吸収する。ナフトはそこまで疲れていなかったが、モナらしい配慮といえる。ゆったりとして、深い安心感に優しく包まれ。ナフトにとって、これ以上快適で愛くるしい乗り物は存在しないだろう。闇夜に浮かぶ雲。徐々に見え始めたかと思うと、半ばミストのようにエア・バイクを覆う。()()もなく、ナフトはシートに腰掛けていて。モナはナイトボアと迅雷を使って、小型の飛空挺になったのはついさっきのこと。すでにだいぶ、海上を進んできているようだった。E-DENはネフィリムからキグナスで送ると言っていたが。しかしながら、再打ち上げの時間が勿体無い。それに、どこに着陸すれば最適かが、どこにどうやって着地・したらバレないか。相手が相手だけに不安でいた二人。結果採択したのが、自らが移動手段になるというもの――。

「どう、ナフトちゃん。()(ザム)(クレ)()の数少ないデータでも画面に移そうか?」

 現在、ナフトの目の前にあるのはディスプレイ。光学的に人体工学的に最適化されたそれが映すのは。 現在地点と予想航路のみ。()(ザム)(クレ)()魔術(まじゅつ)(まと)特異(とくい)(てん)。ナフトも真剣みを帯び始め。モナらしい、未来的な流線美を使った飛行機には、ディスプレイまであったのだ。

「……ふっ。どうせあの日の映像だろ?」

「ほぼ、ね。 第(N)一(I)帝国(C)領サウス・ハグランドで取れた情報もあるよ。情報の質に変化はないけどぉ~」

 つまり、まとまった戦闘データはモナの中にはない。

「ねぇ、モナ。もし、不安と緊張を同時に感じるとしたら、どんな感じかな?」

「どうしたのぉ? 急にぃ〜。あぁー! ナフトちゃん。まだナノマシン型核爆弾の件を気にしてるの?

「……んーんっ、まっさかあ!」

「では、ズバリのズバリのところを言っちゃうとぉ?」

「そうよ、簡単な答えでしょ? ()(ザム)(クレ)()の魔術的特異点……忘れるはずもないっ!」

 意味ありげにゆっくりと、しかし力を込めてナフトは言った。

「『あの日』も……()(ザム)(クレ)()と戦ったんだよね」

「うん、そう。私たちにとって特別で、…………悲しい日でも、……ある」

 感慨(かんがい)深げにナフトが天を仰いでつぶやく。果たして天には届くのだろうか?

「私が第(N)一(I)帝国(C))の特殊部隊にいて。モナがジークムント・エフェクトの試作として現場にいたんだったね、あの日」

「そうそう、そして未だに試作のまんまだけどねぇ~♪」

「……」

(もうすでに、完成したと思うよ)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ