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「ほらほら、全部言っちゃうよ。ちゃんと聞きなさい。ナイトボアでも何でもね、壊れているならぁ、あなたが……」
「はぁぁぁあああん、聞きたくない、聞きたくない。モナちゃんってそんなに優秀だったっけ?」
「そこに気がつく私はどう?」
「はぁぁん、さ・い・こ・うっ♪」
「さらに、つまり?」
「……元よりも良い状態に戻したり、組み合わせたりできちゃうのです!」
「よろしい、では移動しようか。次の戦場に、さっ!」
「愛愛・サー!」
『カブラギ少佐、彼女らはいつもこうなのか?』
『はぃー。…モチベーションが上がったと、御解釈頂ければと……』
申し訳なさそうにカブラギ少佐が上目遣いで言った。
「いくぞぉっ! とうっ!『虚数空間媒体操作効果』展開ぃっ!」
「説明しよ〜う! 虚数空間媒体操作効果、つまり、ジークムント・エフェクトとはぁ!
一度空間を無にして虚数空間だけを残し、虚数空間から現実の物理法則を書き換える能力であるぅっ!
一部の機体にしか搭載されていないものだぁ。対人に使うことだけはぁ、帝国間連盟議定書に反しているのだぁっ!」
モナは昔発掘された画像ファイルのヒーローになぞらえて。自己の技の説明をした。
「己の技を説明すること、すなわちぃ、ヒーローの極意と見たりぃぃ!!」
モナ、敵や味方が自己の技を口頭で説明するのがヒーローだと思い込んでいる、思い込みたくて。のんきなモナをよそに。ナフトは第四帝国の人には人権が与えられているのかという点が不安になった。大気は虚数空間で満ちる。次いで、植物型のナノマシンを形成し、風で揺れる花のように舞う。植物型ナノマシンも愉快そうに、そのダンスを盛り上げる。あっという間に、ナイトボアと迅雷の「死体」が集まった。「これにモナちゃんをベースとしたナノマシン・ブラスターで、飛べる機構を作っちゃいます! ナイトボアの定点ポイントエネルギー機関とのハイブリッドです! 結構豪華なのでぇっす!」
堂々と胸を張っているモナ。
「お楽しみは、このあとスグッ!!」
首をかしげて鼻を鳴らすナフト。




