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【……べっつに減るもんじゃないからね、誰に聞かれていても恥ずかしくもない】
【ふっ、君ならそう言うと思っていたよ。さて、君たちには忙しくなってもらおう。君たちはそういうのが、好きなんだろう?】
【ご明察! 複雑、難攻不落、孤軍奮闘、呉越同舟、四面楚歌。厳しければ厳しいほど、燃える…ってもんじゃない? 魂も激情も女の性も】
片目を瞑ってナフトは言った。――そのウィンクは音波では届くはずもなかったが、彼女のいたずら心だ。
「一難去ってまた一難。『美人麗人には暇が無い』とは、よく言ったものだねっ」
と微笑むことができたナフト。モナも安心している。凸凹だが、凸凹ゆえに調和しているコンビ。
【さて、冗談は置いておいて、次の依頼だ。……『第四帝国』の噂は聞いたことがあるか?】
【第四帝国が? どこかに出たんだなっ!?】
目力が入った瞳でナフトが確認する。
【わたしぃ、第四帝国嫌ぁ~い】
【そうだ、公式には第八回目の、E-DENが知る限りで二九回目の『中規模干渉』だ。あの魔術だの召喚だのする異世界の連中が暴れている。場所かつて創造主がこの世にいた頃は『水の都』と呼ばれていた現廃墟。
ラズリーへ行ってくれ。小旅行気分ではなくな!】
【ラズリーってっ。思いっきり地球の反対側じゃない! それで、出た数は? 具体的にわかるところお願いっ】
【君らしくないな、ナフト】
【第四帝国とはちょっと昔、一悶着どころかがあってね。全てをこの大剣で、なぎ払って撃滅してやりたいんだっ】
【ふむ……。まだ、我々の技術で観測できるところの特殊特異点が見えているだけだ。
まあ、いわゆるゲートがあるだけだ。だが、かつてないほどに異様な色をしている……】
【その言い方って急いで欲しいって感じに聞こえるワケ、なんだけど?】
【そう、早急に対処して欲しい】
「おい、モナ。どっちが戦闘そうだ?」
「あっちに邪が出たってことになるわけ、なんだよ?」
「あ、直接飛んじゃうってパティーン?」
「そう、言うまでもなく」
「ってことはつまり?」
「つまりぃ、ナイトボアと迅雷の駆動系はほぼ生きてるはず」
「ああん、それ以上言っちゃうのぉ? ダメェ、ダメェェェエエ」




