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『っとぉ~、割り込みぃ、失礼。こちら第二帝国先制制圧局ぅ。コードネームは『紫電』。紫色の電気と書くやつねぇ』話は全て聞いたよぉ。しばらくは、《ディゾーネ》の管理はE-DEN及びネフィリムに任せよう。いいだろぉう? ロレンツォ新委員長殿』
【なぜこのタイミングで話しかけられる!? これは彼女たちと私たちをつなぐだけの回線のはずだ】
『そうなんだけど、技術者とか政治屋ってのは何でもすることで有名だろぉ?』
【基本の基本だな。それがどうした。……はぁ、なるほど】
「私の所属している場所も、ルベド財団の息がかかってるんだよ。ロレンツォ君、言ってしまうとね、君も私もその二人のレディもお仲間さんなんだよ」
【……私たちは、核戦力を容認しない組織だ。装置は保存して封印する。…それだけだ】
『容認すべき時代が来たってことなんじゃないですかね? ま、しばらくすれば分かるようになるでしょ。
あ、そろそろ逆探知するでしょぉ? 全部消しておいたから追跡できないよぉ。機関名も違うからねぇ、ははぁ~』
【第二帝国は何をしようとしているの? それだけ教えて】
プライドをかけた通信、その高ぶった神経が構築する論理にナフトが割って入る。
『うぅん? えっとぉ、まっ、この体制の維持だねぇ』
と『紫電』が反応する。
【なぜ維持するだけに核戦力が?】
おまけとばかりのナフトの質問。
『はっはっはぁ。そうだなぁ、しばらく待てば分かるって。
次は直にお会いしたいねぇ、ナフト・アーベントロートさん。…ではぁ』
実のところ、モナはまだキョトンとした表情を見せている。適当にナノマシンで花を作っては消してを繰り返している。モヤモヤしている時の、彼女の癖だ。
「大丈夫だよ、モナ」
さ、笑ってと言わんばかりに誘い笑顔をしている。いつもは筋の入ることが多い眉間も緩やか。普段から笑うより微笑む癖があるので、やや不可思議な印象を与える。
「なぜ、大丈夫なの?」
ぽつりとモナ。
「理由は簡単だよ。今まで私と一緒にいて、大丈夫じゃない時があった?」
ナフトの真紅の色の唇から、白い歯が見え隠れした――すぐに完全に隠れたが。
「ナフトちゃん、……理由は分からないけど迷惑かけちゃったみたいね。本当に、本当にありがとう!」
「私たちはコンビ、でしょ? 守られてる分は守るつもりよ、でしょ?」
【おい、こちら作戦本部。途中から妨害電波やらジャックやらされていた。すまない。が、現時点で復旧している。任務に余計な感情は抑えたらどうかな? どうぞ】




