表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/111

30

【歩哨兵士がいればあるいはぁ。機械的にはほぼ無力化済んでるしぃ~】

【そうか。ならばここまで。これで、詰みだな】

 ナイトボアの情勢判断アルゴリズムは、自分の優位性を示していた。完全粉砕まで残り一七秒二九――。さて、大気中で物が燃える意味について考えてみると。ナフトの『詰み』の意味も同じく。物が燃えるということは、強烈な酸化還元反応が起きていることを意味する。具体的に言うと、大気中の酸素は――激減していく。また、二酸化炭素からの酸素の生成も難しい。煙が制限されているからだ。大気中の酸素がないならば、酸素を大気中から取り込んでいるナイトボアは当然。『空撃ち』を始める。ナイトボアの銃口に光子が見えては消えていく。煙と距離も相まって、まるで死にかけのホタルのように弱々しい。何よりも形勢を具体的に示せていたのは、ナイトボアのアルゴリズムだろう。マイナス九八、敗勢から必敗へ。最初からナフトにとってはハエ叩きなみに簡単なことだったのだ。

「さて、準備運動はここまで。体、あったまった?」

「まだ不十分かなぁ? だってここ、すっごい寒いも~ん」

「ふふっ、先へ行こう」

 と、安心した途端、目の前に飛来する酸素プラズマ。ナイトボア、いや、その設計者、酸素ボンベに切り替えることまでを想定済み。

「それくらいで参ったなんて言わない……か。可愛いやつじゃないかっ」

「かぁいいねぇ~」

【………今だっ!】

 と、モナのアイグラスに発するな否や、ナフトの影は飛翔する、丁度ナイトボアの真正面に。ナイトボアも各種センサーをフル稼働してナフトの影に備える。警戒レベルは最大の5だ。もはや敵を粉砕するしかないと、ナイトボアのプログラムが自身に命令する。ナイトボアのセンサーは真正面でナフトに向けられている。――ロックオン、粉砕確定。同時に両脇の酸素プラズマ弾の照準も合わせられる。――金属が破裂するような音。真正面に飛んだナフトの影は爆破離散した。ナイトボアは当然のように、殲滅すべく残りの一人、モナを照準に入れようと酸素プラズマ弾を高速で放ち出す――。

「……と、思うよな? いっくら高度な人工知能でも。一人やっつけたって思っちゃうだろ?優秀な有機生命知性なこと。そっちもナノマシンのハ・リ・ボ・テ」

 って聞こえないんだったなとナフトは思った。目がギラついている。本当のナフトは先ほど作った安全地帯から一歩も動いていない。ただ、戦場での殺気を抑えていただけ。センサーにそれは反映されたのだろうか?ナフトは余裕のために、腕を組んでいる。時間が早くたたないかと、イラだった映画監督のように、手で腕を叩いている。ナフトは楽しませてくれない玩具(がんぐ)に興味はない。ナイトボアのセンサーは照準をナフトに向けるも、ボンベの酸素もない。そもそも酸素プラズマ弾は容易に作り出せるものではないのだ。

 体内に溜めておいた分を発射していただけ?大気からの酸素吸引は、その目減りの幅を少なく刻むため?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ