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「第二帝国の機械工学と第三帝国の遺伝子工学が結晶!植物性ナノマシンで治療をしたり、ナノマシンから出る粒子で他の粒子を捕まえて色々なことができちゃいます! 全部は見せないけど……こんなこともできちゃいます!」
ごうんごうんとネフィリムは上下左右に、合計5分ほど激しく揺れた。プログムは二重に用意されていた。『こんなこともできちゃいます』の声に反応するように細工をしておいたモナ。
「以上でーっす! ぺぇーこりぃー!」
実際にお辞儀をしているアニメ映像をネフィリム内の全画面、ディスプレイに見せた。ペコペコ謝る三頭身のモナが映っている。
「うまくできたねぇ! ブーイ! でさでさぁ、やっぱりぃ、私たち作戦無し作戦の方が良くなぃ~?」
合コンに行くようなノリのモナ。
「ええ、それはいいね。とっっても」
うっとりとしているナフト。
「ではぁ、音頭をどうぞぉ〜」
「ナフト、モナ、準備完了。『キグナス』からの射出を要求する。どうぞ」
「パイロット了解。パイロットからナフトへ。まだ距離があるからかっ飛ばしていこうか? どうぞ?」
「オーロラが見えるルートでお願い、どうぞ」
ナフトはゆっくりとそう言った。オーロラなど。
「パイロット了解。なるべく期待に応える」
パイロットも知っている。……見えるはずもない。
地球の夜半球を超音速で進む機体。
第二帝国で先行試作型が作られるも、費用対効果が合わないとして計画を打ち切られた哀れな白鳥。
キグナスの内部もまた夜の空の静寂に包まれる予定であった。
つまりは騒がしい二人の搭乗こそ予定外であった。
――2102(ふたいちまるに)。
「じゃあ、10000019。これででどう?」
ナフトはとある意味ある数字の羅列を言い合う遊びをしていた。
「簡単すぎだからそこはぁ、次はねぇ、10000079でぇす。割ってみてね、怪しければ」
「怪しまないけどさ、そこまで飛ぶんだっけ? これ素数対応のプログラム組んでない?
「そもそも素数勝負を半電子脳としたい! って言ったのはナフトちゃんでしょぉ~!」
「いいじゃん、そのおかげで間も無くこの『蜃気楼』の出番みたいよー」
「時間でわかったのぉ?」




