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「いやいや、逆に体が温まるお酒があるかもよ。ええっとねぇ、ゲシュトロッカみたいなの」
ワクワクしているような声で、モナがお酒の自動テキストを口から吐いた。
【ロレンツォが陸戦隊を後で送ると言っていた。送るのは確定事項だ。後は分かる?】
【ええと、つまりぃ、内部エージェントの手引きがないと、いくら敵方が無人とはいえ陸戦隊の施設確保は無理?】
【その通り、ビンゴ。そいつにコンタクトを取って、海燕について聞いて。まぁ、私たちならエージェント無しでも行けるんだろうけどさ。それだけで済むなら私たちが呼ばれる必要ないからね。さ、堂々とズルをしよう】
【ラージャー!!】
「ゲシュトロッカは一七歳で止めたの。高いアルコールだけが喉と心を癒すとおもっていた頃にね。さぁ、現地の作戦の計画でも具体的に立てよっか? 後何分?」
ナフトは再び髪の毛をうねらせている。
「私たちがゴーサイン出したら、なんでしょ? ナフトちゃん」
「わかってるねー」
【できたよ、ビンゴ! 研究所のメインコンピュータに入ってた。っと待ってねぇ〜。あ、一部ブラックアウト。このエリアはそーとー時間かけないと無理無理なんですけど……ふむふむ、定期的に第一帝国の海軍を牽制してるんだってさ。まだまだバレてないよー。でも注意しろ、だってさぁ〜】
【……何を?】
【その目で確認しろってさぁ〜】
【メインコンピュータには入ったんだろ? コンタクトもできたんだろう?】
【うん! でもね、1か所だけブラックアウトしているエリアがあった。何かね、兵器関係のスペースっぽかったよ。高火力の演習場みたい。やっぱりハリボテじゃないかもね】
【……なるほど。『危険な兵器』がそこにあるってことね。そいつは第二帝国の二重スパイかもね】
「ああ、ロレンツォさんから連絡入ってきてるよ。私の装備確認は良いのかって」
蜃気楼の内部に干渉して、ネフィリムからの音声はモナを通してでしか入ってこないようにしてある。 ナフトからのいつもの要望だ。
「ナフトからロレンツォへ。次は一射じゃ済まないかもよ」
「もう、ナフトちゃん、それじゃあ伝わらないよ」
スゥーっと息を吸うモナ。人間であった頃の癖だ。




