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「電子干渉能力はここまでなのか!? 戦術兵器だな。下手すれば、いや軍で使用すれば戦略兵器にもできないか?」
「他国や他の組織にはバレていません」
「バレているバレていないの問題ではない」
そして小さな声で。
「カブラギ、ここに敵性因子がいないと思っているのか?」
「いえいえ、いないととは思っていません。これ、リアルタイムの干渉ではないですよ」
「んんっ?」
どういうことだろうかと顎に手をやるロレンツォ。
「置き土産としてソフトウェアを残したのでしょう。自己を抹消できるプログラムですね。ちなみに結構あります、こういうの」
とカブラギ少佐がボソッと告げる。
「ふーむ……干渉した記録まで偽装、または消去できるのか? 一度、全てのプログラムをチェックする必要がありそうだな」
仕組みが気になり聞いてしまうロレンツォ。非論理的なことはあまり好まない。
「結果から見るとその可能性が非常に高いと我々も判断しています。ですが、プログラムは正常に稼動中……なのですが、毎回」
「確定したことが言えないのか? それでも管理下にあると言えるのか?」
非論理的な行為もあまり好まない。
「ハチャメチャな事案な対してはハチャメチャを。どうですか? これも一興では?」
カブラギ少佐が一手打って出た。
「……、『分からない』ものは完全には『分からない』ということか。ずいぶんと非論理的かつ大胆に論理的だな、少なくともここまでは。さぁ、国が関係無い人間はこういう発想をするから困る。後は鬼が出るか……」
「蛇が出るか……ですか? 基本『勝利』しかでませんよ。安心してください」
二人は期待するしかなかった。
「まったく、強引で分かりやすく謎めいた奴らだな」
ふと、ようやくロレンツォからも笑みがこぼれた。
「性格と作戦完遂率は独立して考えるべきですね、ロレンツォ委員長殿」
「いや、独立させるべきではないだろうな」
「……なぜです?」
「まぁ、観ていれば分かるよ」
――二〇五九。




