110
「01029409duce333、77912300#2901029409duce333。繰り返す。1029409duce3337912300#2901029409duce333。
トリプルスリーの案件だ。こちらはduce! ナフト、モナ応答せよ!」
「……ガーガー。 ……やっと回線が、繋がったのか? こちらは第一特車連隊。空爆を要請したい。座標はアイグラスに送った。おい聞こえるか? どうぞ――」
「…ちら、du…e、……こちら、DUCE! ……応答できない状態にあるのか、どうぞ……」
「おいおい、なんか聞こえてるぞ。どこの機関だ?」
オープン回線からそんな声が聞こえる。
「あー、こちらは第三帝国総統補佐官、ジェム・ジェネルだ。ロレンツォ君、なんで第(N)一(I)帝国(C)と第二帝国の連中の声が聞こえているのかな? これじゃあ、筒抜けだわ」
「……全くだな」
と第(N)一(I)帝国(C)の兵士。
「……その通り」
と第二帝国軍のオペレーター。
「はっ、こっ……これは、ジェム殿! これは……引き継ぎ前の事案が足を引っ張っている模様でして、 今後は打開に尽力を尽くす限りです。……って、ナフトッ! モナッ! こういうのは今すぐやめろって!」
「あんれぇ、借りを返すのって『いつでもいい』って言ってたっけ?」
「うん、ナフトちゃんの最近の口癖だもん、それぇ~。結構借りてる武器とかお金とかあるよ。今回の戦いの三〇倍分くらいねぇ~」
「おっ、おい、ナフトッ! 今すぐこの回線を物理的に切断しろ。そして私の言うことを聞けッ!」
「切断したら、命令聞こえないけど?」
「だぁかぁらぁー!! ああ、もういいっ! アイグラスに送るっ!」
【こちらカフィラ小隊!『エンギルス』助けてくれ。『カグドの夜明け』が進行してきた。内政干渉が決定した】
【久しぶり。元気かな? 大剣とナノマシン】
【ナフト様、モナ様へ。こちら第二帝国空挺部隊。『白い兎の猟団』ホワイトラビットです。時間が良い時で大丈夫ですので、返信を下さい】
【あれ、この回線もダメだめ? どの回線ならばメッセージできるんだよ!?】
【モナ、あなたには貸しがあったわよね? ナノマシンで索敵をお願いしたいんだけど。それと、第一帝国の強化兵士部隊を撤退させて欲しい】
【こちら、バナカス。 施設軍隊の件で連絡してるんだけど…。これ、またメッセージが山積み状態なんだろう、どうせ】
【ナフト様、モナ様、いつもご愛顧ありがとうございます。当美術館への寄付のおかげで、ルドナール絵画展を開催することができました。もし、お時間がある際で良いので、ミドニアのクレルモン=フェランにおいでください。なお、このメッセージには返答は無用です。いつもお心遣いを感謝しております】
【ナフト、いいワイン入ったよ。それとね、お店の住所移転したから伝えておくね。NIC合衆国特別行政区、ワンベラストリート、カルグ通り4四八〇ね。後で取りに来なよ。体制〇七年物だよ~】
【お菓子をくれたお姉ちゃんへ、あの時はありがとう。お仕事頑張ってね! またお話ししようね!】
【こちらカフィラ小隊、応答できるか? ナノマシンで趨勢が決まる。返信を求む】
【This is Paramount Dopes being trapped without you. PP is X258 Y333 Z49 plz】
【こちらは、第一帝国内務省です。内務大臣より、メッセージがあります。Qコードを入力してください】
【あれ、今繋がってる? 返信くれよ】
【緊急事態発生。手数が必要だ。ジョーカー。切り札の切り札たる所以を今日こそ我らにお貸し頂きたいものだ】
【例の件、忘れていないだろうな?】
【01939 4819 388298 3838819 091742 1834739 828 8282 281719】
【ナフト・アーベンフロートへ。今週末って空いてる? スカイフォレストとかどう? 美味しいディナーをさ】
目まぐるしく、点滅を繰り返すアイグラス。
【随分と『ツケ』が……あ……るようじゃないかぁぁああああ!! ナフトォォォォォオオオ、モナァァァァァアアア!!! アイグラスもオープン回線もお前ら個人の依頼の山じゃないかぁっ! 軍属だということを理解……、おい、カブラギ、強制召喚のコードは……】
「あー、ダメダメ。 また特異点開いたみたい。ごめん、ロレンツォ。 あー、ごめんマジでごめん、聞こえなーい。……じゃ、私たち行くわ!」