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「モナ・バーベルツ、これまたSクラスの特殊工作員。内部の構造は第九世代型のはずだ。電子戦機でもあったはずなのになぜこんなにパンクチュアリーにルーズなのだ?」

「はいはいはぁ〜い! それは時間に少々遅れようがそれが早まろうが、戦績には問題がないからでーす」

「……モナ君。では問おうか、現地で拘束されている仲間がいた場合はどうするのだ?」

 あくまで冷徹にことを進めるロレンツォ。

「その場合はぁ、その瞬間にアイグラスにメッセージが入るので大丈夫でぇーすっ♪」

 と切り返すモナ。こういう時の頭の切れが非常に良い、無機質的と言って良いほどに。

「ともかく、我々は帝国間の過剰な軍拡や危険兵器を査察する唯一の組織だ。そのような態度では隊全体が引き締まらない。三大大国を査察できる唯一の機関なんだぞ? 世界の平和、戦争そして経済を守っていると言っても過言では……」

 ロレンツォもやりにくさを感じつつも引き下がらない。そこにナフトが語尾を制した。

「その言葉、自己紹介になってるねぇ、堅物で杓子(しゃくし)定規(じょうぎ)なロレンツォ新委員長さん。では、さっさとブリーフィングしてくれない? 本当に簡潔(ブリーフ)でいいから、さっ」 

 髪の毛に指を入れ一部をくねらせている。退屈している時に見せるナフトの癖。

「モナもぉ、ロレンツォさんのブリーフィングを確認をしたいでーすっ!」

 モナは粒子の流れを音波と光だけに絞り、人間らしくブリーフィングを受けようとした

「……まったく。カブラギ少佐! これは管理がなっていないのではないか!? 一応は兵士扱いなのだろう」

「ええ、はい。しかし、何せ戦績が良いものでして、我が組織には必須な部分が多くあり、また次の作戦においても……」

「長い話はいい――端的に伝えてくれ」

 ロレンツォはカブラギを制し。

「そうそう、長い話は要らない。ぺちゃくちゃしゃべっても内容がなくてうるさいだぁ・けっ。

 意味がうっすいねぇ。NIC合衆国のコーヒー並みに」

 ナフトもロレンツォに同意する。

「ロレンツォ委員長さん、そんなにからだ体とか頭とかを硬くしないで、違うところ硬くさせてればいい男なのにね」

 ニヤリと彼女は笑った。ダブルミーニングのセリフだったからだろうか。

「あははっ、ナフトちゃんが新委員長をナンパしてるぅ」

 モナもケラケラ笑っている。

「ナフトっ、モナっ! E-DEN一〇人委員会の前だ。少しだけでいい、真面目にやってくれ」

 カブラギはロレンツォに睨まれているために、そう制した。

「いつだって真面目よ。さ、ブリーフィング、始めて? こっちはいつでもいいのよ?」


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