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3.真昼間から呑む約束


「……や、やっちまった」


 お日様が真上に上る。こんな昼間なのに、急展開の朝夜ひっくり返ったみたいな出来事に正直頭がついていってない。酒だ、酒を寄越せ。


 今朝のはハッタリだとしても、今のははっきりと行為をやらかした。一回目、処女を貫かれてビービー泣く私をベッドにお姫様抱っこで移して、こんな昼間から何回戦やらかしたのか記憶がない。このくそねちっこい絶倫ドSが。果てて満足なつばやさんは、裸のわたしを腕で抱き寄せたままだ。


「……きもちよかった?」


 ジト目で聞くと「すっげえ良かった。みかる、今までで一番の女だよ」とわらう。 


「百人切りだなさては……」

「そんなにいねぇよ、俺をなんだと思ってんだよ」

「やくざ」


 また軽口を叩いただけなのに、しんと静寂。え、なに、ついにキレた!? と顔を見ればぼそりという。


「お前さ、ヤクザの女でいいの?」


なにかと思えばそんな心配か。


「いいんじゃないかなー。正直まったくやくざのことわかんないけど! つばやさんのこともっと知りたいし、楽しいことしたい」

「ありがと」


 ちゅ、とおでこにキス。もっとくっついていたかった。けど、つばやさんの携帯が鳴る。


「……ちっ、仕事か」


頭をぽんぽんされて、立ち上がったつばやさんは携帯を取った。


「……………はい、はい、オッケーです。ちょっと用がすんでから行くんで」


がちゃりと切る。


「悪いな、ちょっと仕事がはいったから、みかる今から送るわ。いいか?」


と、言い終わる前に突撃してぎゅっとしてやった。  


「つばやさん、仕事おわったらのみにいこ!」

「……まだ飲むの?お前」


呆れたような顔。でも、お互いいい気分だった。


「ヤクザのしごと?」

「あァ、取り立て」

「こわっ!」




 そういえば、昨夜のはハッタリだったとして、この首筋のキスマークは……なんなんだ……蚊か?

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