第5章 (番外)登場人物や世界の設定まとめ(詳細版・2019/08/12訂正)
この世界は《#蒼き大地__ティエラ・デ・アスール__#》と呼ばれている。
その真の名は《セレナン》。
世界そのものに宿る意識《#超自我__スーパーエゴ__#》である。
一日は24時間。一時間は60分。
一ヶ月は30日、一年は12ヶ月。二年に一度「うるう月」として一週間が加わる。
【エルレーン公国における宗教】
最高神…………真月の女神イル・リリヤ。「死者と咎人と幼子の護り手」と呼ばれる。
第二位の神……太陽神アズナワク。イル・リリヤの息子。「青白く若き太陽神」と呼ばれる。
第三位の神……忌名の神(二番目の月『魔の月』)「セラニス・アレム・ダル」。イル・リリヤのもう一人の息子である。
第四位の神……天空。ストック。
第五位の神……星々。エストレーリャ。
第六位の神……大海。オロ。
第七位の神……この大地。つまり、ここ、セレナンのこと。
八番目より後は、たくさんの神さまたちが、ひしめき合っている。
真月の女神と太陽を頂点にした、多神教。
※実は最高位の神はイル・リリヤではなくセレナンである。※
この他に、古文書に『前史』として『古き園』の記述がある。
セレナンから、虚ろの海(虚空。宇宙空間のこと)を遙かに超えたところに、白き太陽に照らされた世界があったと記される。その世界の名前は《地球》。
※ 教育 ※
【エルレーン公国立学院】
エルレーン公国首都シ・イル・リリヤにある。建物は大公から寄贈された離宮の一つ。
授業料、制服、教材、食費、備品代などは無償。
普通学科、魔法学科とある。
普通科は更に学問、商業、政治などの学科に分かれる。
魔法学科は、学究と、実践、開発に分かれる。実用魔法学のコースもあり、卒業生は治療免許を受け一般社会にて施療院を開くこともできる。
入学年齢は七、八歳からの「見習い」
九歳からの「通常入学」となる。
エルレーン公国首都では、子供が生まれると、生後一ヶ月の時点で魔導師協会から派遣された導師が、『魔力診』という、子供が生まれ持った魔力を推し量る儀式を行う。
魔力量によって進路の概要が決められる。
【公立学院初等科(幼年学校)】
首都シ・イル・リリヤのほか、公国の各地に設けられている。【地方学校】とも呼ばれる。
公立学院入学前の児童が対象。学費無償。
魔力のあるなし、能力差に関わらず同等の教育が受けられるように取り計らわれている。
幼年学校卒業時に進路を本人の希望、能力を考慮して決める。
公立幼年学校に通わず家庭教師がつく児童も多い。
『お披露目会』
主に四歳から七歳までのうちに、子供が無事に育ったことを祝い、周知するために開く。
親類縁者、親の知人などを招いて飲食でもてなす。
エステリオは四歳、アイリスは六歳で『お披露目会』をした。
※ 登場人物 ※
【アイリス・リデル・ティス・ラゼル】
お披露目会の時点で、六歳。
黄金の髪とエメラルドの瞳。魔力があふれ出すときは#水精石__アクアラ__#色になる。
エルレーン公国首都シ・イル・リリヤを中心に手広く商売をやっている豪商ラゼル家の一人娘。
『先祖還り』と呼ばれる、地球からの転生者。
前世は異世界『地球』の21世紀、東京で暮らしていた女子高生『#月宮有栖__つきみやありす__#』。
同時に、ニューヨークで暮らしていたイリス・マクギリス。地球最後の生命、システム・イリス(人工生命体)の記憶がある。
【マウリシオ・マルティン・ヒューゴ・ティス・ラゼル】
アイリスの父。厳格で生真面目。アイリスには、激甘パパ。
茶色い髪と顎髭。三十五歳。
ラゼル家は『始まりの千家族』の一つ。代々続いた豪族が先祖。
【アイリアーナ・ローレル・フェリース・ラゼル】
アイリスの母。清楚で華やか。ラゼル家に次ぐ規模の商人、フェリース家から嫁入り。
長い金髪と緑の目。三十歳。美人。
【エステリオ・アウル・ティス・ラゼル】
マウリシオの弟。アイリスのお披露目会の時点で二十歳。
アイリスと同じ『先祖還り』で、21世紀の吉祥寺に住んでいた記憶がある。このとき、アイリスの前世『月宮有栖』を見かけていた。(初恋の相手だった)
お披露目会の直前に、魔法使いの長カルナックの勧めで、アイリスの許婚に決定する。
【ヒューゴー・マルティン・ロペス・ティス・ラゼル】
アイリスの祖父。
マウリシオとは考えが合わず対立している。
エステリオ・アウルが四歳のとき、誘拐を装って攫う事件を起こす。
実はレギオン王国貴族の権力を借りて、息子アウルを闇の神に捧げる儀式を行い、望みを叶えようとしたが、当時は儀式を完遂できず失敗した。そのままアウルを貴族に譲る。しかし魔導師協会の介入により奪回されて失敗。
魔導師協会の調査報告により、大公から『事業を息子マウリシオに譲り、隠居すること』を言い渡された。
アイリスのお披露目会のときにいろいろやらかした挙げ句に、死亡。
【ローサ】
アイリス付きの小間使い。たっぷりの赤毛を二つに分け、三つ編みお下げ。
頬にそばかす、愛嬌のある可愛い子。アイリスより七歳年上。
【トリア】
メイド長。五十代。
【バルドル】
執事。五十代。
【エルナト・アル・フィリクス・アンティグア】
エステリオの親友。大貴族の次男。
医療に優れる。
【ヴィーア・マルファ・アンティグア】
エルナトの妹。
アイリスの家庭教師。魔法・体力・勉学を担当。
【エーヴァ・ルイーゼロッタ・エリゼール】
アイリスの家庭教師。社会常識やマナーを担当。
【カルナック・プーマ】(公式名はレニウス・バルケス・ロカ・レギオン)
魔導師協会の長。外見は二十歳の美女?
長身の青年。長い黒髪、黒目だが、魔力が溢れるときは水精石色の目になる。
幼い頃、精霊たちに救われ育てられていた過去がある。
現在では、人が悪く、無邪気で気まま。コマラパを困らせることも多い。
だが弟子たち思いの厳しくも優しい師匠である。
【コマラパ】(公式名はティト・パチャクティク・ユパンギ・インガ)
魔導師協会副長。六十歳くらいの外見。サンタクロースに似ている。
公にはされていないがカルナックの実父。
妻である『白い魔女フランカ』とは若い頃に死別。その後は独身を通している。子供がいたとは知らず生き別れていたカルナックと《世界の大いなる意思》に導かれ精霊の森にて再会するも、精霊に育てられ常識を持ち合わせていないカルナックの言動に困らされてきたのは昔も今も変わらない。
主人公アイリスに対しては、慈愛に満ちた祖父のように接する。
【フランカ】「白き魔女」(本編には登場しません)
カルナックの母。見た目はそっくり、黒髪、黒目の美女。
かつて、レギオン王国で魔女のコミュニティを主催しており、各地を巡り修行していた青年期のコマラパとの間にカルナックを授かる。ゆくゆくは結婚する予定だったが、当時はまだ権威を持っていた『聖堂』の最高権力者だったガルデルに見初められ攫われ、幼児だったカルナックを奪われようとしたことに逆らって殺された。
【ティーレ・カールソン】
金髪に青い目の北欧系美少女? 外見は十五、六歳。
中身は脳筋な戦闘氏族ガルガンド出身。
魔導師協会に派遣された、アイリスの護衛。
普段はアイリス専任メイドをしている。
【リドラ・フェイ】
黒髪に黒目、ミルクティー色の肌をした、仕事できそうな二十歳くらいの美女。
サウダージ共和国出身。(エルレーン公国に亡命した。このときカルナックに命を救われている)
魔導師協会に派遣された、アイリスの護衛。
普段はアイリス専任メイドをしている。
【マクシミリアン・エドモント】
アイリスのお披露目会にやってきた。エドモント商会の長男。
お披露目会の時点で、八歳。金髪。
魔力をほぼ持たなかったが、父親であるダンテのある行動により死にかけ、カルナックの『魔力核』を分け与えられて一命を取り留める。カルナックに一目惚れしている。男でも女でもいいと思っている。
【ダンテ・エドモント】
マクシミリアンの父親。近頃、エルレーン公国北部地方で業績を伸ばしているエドモント商会代表。
商売の腕は確かだが、美女に弱いのが弱点。
カルナックに「情夫になれ」と誘い、きっぱり断られた。
恐妻家である。
【エスメラルダ・サフィニア・エドモント】
ダンテの妻で、マクシミリアンの母。
健康上の理由で、エドモント商会の本店がある地方都市を離れられないという話だったが、妻を同業者に会わせたくないというダンテの嘘。
豊かな黒髪が波打つ、深緑の瞳をした華やかな美貌の、ゴージャス美人。
しかしながら殴ってダンテを倒せそうな、大柄で鍛え上げた筋肉の持ち主。
※ 女神たち ※ 全ては物質ではなく、高エネルギーの塊である。
《世界の大いなる意思》この世界そのものに宿る意識《#超自我__スーパーエゴ__#》である。
イル・リリヤよりも格上の存在である、真の《最高神》
《スゥエ》
アイリスが転生したときに出会った女神。外見は十歳くらい。
人間の味方である。
《アエリア》
エステリオが転生したときに出会った女神。
外見は十五、六歳の美少女。
《エイリス》(エイリアス)
セレナンに最も近い階層にある女神。
外見は二十歳くらいの美女。アイリスの守護妖精たちが、守護精霊へと進化するときに、現世に顕現。儀式を取りはからう。威厳がある女神。
※ 精霊たち ※
《世界の大いなる意思》に生み出された種族。銀髪と水精石色の目が特徴。
不老不死だが、物理的に事故、人間により殺害されるなどのアクシデントが、可能性として起こりうる。しかしながら、もしも精霊が殺される事態になれば、人類は世界の怒りにより滅亡するであろう。
《ラト・ナ・ルア・オムノ・エンバー》(辺境の地に生じた最後の子供、ラト)
精霊。外見は十四、五歳の美少女。
カルナックが五歳の時。不老不死を願う義父ガルデルに殺され「忌名の神」に捧げられた。このときカルナックを助け、精霊の森に迎え入れて守り育てた「精霊の姉」である。
《レフィス・トール・オムノ・エンバー》(辺境の地に生じた者の長、レフィス)
精霊。外見は二十歳くらいの美青年。
ラトの兄であり、同じく幼いカルナックを救い精霊の森に匿い育てた「精霊の兄」である。
《グラウ・エリス》別名を「グラウケー」(海の青い輝き)
第一世代の精霊。ラトたちの上司?
外見年齢は二十代後半の美青年?
数百年前、魔導師協会を立ち上げた《#影の呪術師__ブルッホ・デ・ソンブラ__#》の影武者でもあった。
エルレーン公国公女ルーナリシア姫との婚姻を結び、現在は精霊界で共に暮らしている。
※ 番外 ※ この物語では登場場面はない(たぶん)はず?
《ガルデル・バルケス・ロカ・レギオン・デル・グーリア》
エナンデリア大陸南部に位置する帝国、『グーリア神聖帝国』初代皇帝。自らを『神祖皇帝』と称する。
五百年前はレギオン王国の国教『聖堂』の最高権力者『教王』だった。
もともとレギオン王国の王子であり命をたびたび狙われるなどして育ったため、徹底的に人間不信。
愛を知らず、『忌名の神』セラニス・アレム・ダルに唆されて親族全てを殺して捧げ、不死となってレギオン王国から脱して大陸南部に国を興した。その際に誤って殺してしまったものの、後悔し、精霊の森に匿われたカルナックを探し回った。未だにカルナックに執着している。
《ギア・バルケス・デル・グーリア》
グーリア神聖帝国、皇太子。
妻を持たないガルデルに見いだされ養子となった。
不死であるガルデルを殺すか封じるかして政権を奪取したいと狙っているが、前途多難。
《ミリヤ》
奇跡の少女と呼ばれる、サウダージ共和国、国家元首。
国民を含めて、対外的には不老不死と喧伝しているが、実際には延齢技術とクローン培養によって、加齢した肉体を捨て入れ替えられている存在。
セラニス・アレム・ダルの手駒の一つ。
ただし最新バージョンのミリヤは勝手気まま、扱いきれずセラニスも手を焼いている。
サウダージ共和国では、セラニス・アレム・ダルは国家元首付きの側近、政府高官という地位にいる。