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第5章 その10 運命のレールに乗っかろう!(修正)


             10


 出会った瞬間、運命を感じた。

 そういう体験がある?

 あたしは、ある。

 それは中学生のときに(中古車展示場で)出会った大親友で、高校生になった現在は、二人でアイドルユニットを組んでる月宮有栖と出会ったこと。


 そして、あたしのママ、相田紗雪に言わせれば、有栖のママ、月宮アリアさんと幼稚園で出会ったことだという。それから高校までずっと同級生だったんだって。

 ママはアイドル志望。

 アリアさんはファッションデザイナー志望。

 ママが芸能プロダクションに入って高校をやめてからも、衣装のデザインをしてくれたりしていたの。

 でもママが引退してからは連絡が途絶えてた。


『だって事務所と派手にケンカして辞めたから、恥ずかしかったのよ』


 勝ち気なママらしいけど。

 しかもその原因は、医学生だったパパと知り合ってお付き合い始めたから。

 仕事か、彼かって言われて。

 で、仕事をすっぱりやめちゃったの。


 そんな騒動の後で結婚したパパ、相田弘樹とも、五年でケンカして別居。

 ママ、激しすぎる。

 いつかツンデレかヤンデレになりそうだから、ほどほどにしてほしいものだ。


 物心ついたときからパパはいないと思い込んでいたあたしだった。

 だけど、別居だったとは!

 急にパパから連絡があって、アメリカに単身赴任してたけど帰国するっていうの。

 なにもかも驚き。

 それから後は、トントン拍子に進んだわ。

 パパとママは無事に復縁、一緒に暮らし始めました。


 有栖のほうも、パパは事故に遭って五年も昏睡状態だったんだけど、あたしたちが中古車展示場で出会う半月前に、やっと昏睡から覚めて、リハビリしていたんだって。

 今はネットのお仕事をしてる。ホームページ作成とか、イラストのお仕事。たくさんは歩けないけど、順調に回復していってるって。


 有栖は、ちょっとおくてだけど、とっても素直で可愛い。

 中学は違うけど、同じ高校に入りたいな。


 そんなとき。

 有栖と一緒に遊びに出かけた原宿で、芸能プロの社長さんに声を掛けられた。

「アイドルになってみませんか」


 え~。

 だいじょうぶ? このおじさん。


 簡単に信用はしないわ。

 うさんくさいなって目で見ていたからかな。

 社長さんは、大爆笑した。

 ちょっと失敬じゃないかしら。


 その後、奥さんが経営してる私立高校を見学に連れてってもらった。

 ファッション雑誌で専属モデルをやってる娘さんがそこに通っているんだって。

 自由な校風だから、あたしたちもそこに入って高校生活を楽しんで、芸能活動もやりましょうって。

 そんなうまい話ってあるかしら?


 でも、なんか社長さんって、サンタクロースに似てるんだよね。

 サンタのプレゼント?

 学祭でも歌って欲しいって。

 誰かが用意したレールに乗っかったみたいな感じだけど。


 いいわ、行けるとこまで、行ってみましょ!


 あたしたち、相田紗耶香と月宮有栖の人生は、これから。


 サヤカとアリス。

 あたしたち、ずっと一緒にいようね、有栖。


 生まれ変わっても、友達でいたいな。



21世紀の時点での紗耶香のエピソードはここまで。

次話からはアイリス視点です。

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