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炎の槍


燃え盛る槍・・・・しかし、槍自体は熱くなく、むしろ温かく優しい気持ちにさせる・・・

僕の中でテクの声が聞こえる。


「アカツキ聞こえる?聞こえる?これテクの力 テクの炎!」

テクは力強く僕に声をかけてくれた。


「その炎ならあの鎧砕ける!アカツキの力なれる!」

槍は先ほどよりも勢いよく炎を上げる。周りの空気すら灼熱の業火に巻き込むかの如く


「な、なんだそれは・・・なんだそれは人間!」オークが一瞬たじろいた。

僕はその一瞬を突きオークの黄金の鎧の槍を突き立てオークの黄金の鎧ごと一刀両断する。オークは叫び声をあげ燃え盛り灰となった。


「す、すごい・・・テクすごいよ!」僕がテクに話かけるとチクがそれに答えた。

「テクは炎の力をもった精霊。アカツキに力を貸してるから今は話せない。」

「そうか・・・ありがとうテク、チクこれで行ける!!」僕はオークの群れまで一気に走り抜ける。


「食らえっ!!」僕が槍を振るうとそれは燃える斬撃となってオークの群れを一気に切り刻む。


オーク達の叫び声が周囲に響き渡る残っていたのは白い灰の山と僕だけだった。

ルインはどうなったんだろう。助けに・・・・しかし、僕の意識はそこで途切れた。


「ふんっ、中々やるではないか黒騎士っ!まだ我は本気を出してないがなっ!」巨大な剣が私の頭上に降りる。しかし、軽いっ・・・こんな剣あの時に比べたら・・・私はなんなく剣を受け止めると一瞥する。


「私も元より本気ではないよ。こんな軽い剣・・・あぁ、部下は全滅したようだぞ?弱すぎて飽きれるなぁ親分様よ。」それを聞いたオークロードの顔色が変わる。


「き、貴様・・・我らが戦士を愚弄するか・・・貴様貴様貴様貴様!」先ほどとはうってかわったかのようにオークロードの攻撃は単調になる。やはりこいつ・・・ただのバカだ・・・

私は迫りくる剣を避けるとオークロードの腹部に重い一撃を入れる。


「我が前に立ちふさがる者を砕け・・・我が腕よ!」私の腕が光輝く・・・これが私の能力・・・いや、私のではないな・・・

オークロードは盛大に吹っ飛ぶ。骨の4,5本はいったか?

私は間髪入れず強烈な一撃を数発顔面に叩き込む。鈍い音がしたあとオークロードはゆっくりと崩れ去った。


「弱い・・・弱すぎる。こんなものでは銀腕は倒せんぞ?」・・・さて、アカツキは大丈夫か・・?

私はアカツキの方に近づくとアカツキの顔をみた。特に負傷をしてるわけではない、眠ってるだけのようだ。チクとテクも力を使い果たしたのか、心配そうにアカツキの胸の上で見ている。


「しかし・・・妖精が力を貸すとは・・・分からぬものだな。」

私の中で今までの絶望が希望になるかもしれない・・・アカツキなら・・・このゲームを・・・


「おい、リトル」私はリトル達に話しかけた。

「ア、アカツキ大丈夫?」

「力強すぎたのかな?」

「心配するな。魔力を使い過ぎたのだろう。ただ、この力はもう使うな・・・強力だが今のアカツキには耐えられんだろう。寿命も縮めかねん。」


「ア、アカツキ死んじゃう?」

「アカツキ病気なる?」リトル達は涙目になりながら私の方を見る。


「そうではない、今のままでは・・・それにリトル共お前たちも魔力を使い過ぎれば・・・・まぁ、いい 当分力を使うないいな?・・・さて」私はアカツキの方を見る・・どうしたものか・・・



「ん、んっ・・・」あれ・・・僕は寝ていたのか・・・確か、オークとの戦いで・・・ん?なんか柔らかい枕がある・・・いい香りもする。ルインが置いてくれたのかな?ゆっくりと僕は目を開けた。


「・・・ってええ!?」僕は目覚めた光景に驚いた。目の前に眠っているルインの顔がある・・・ていうか、こ、これは膝枕・・・?

「あわわっ!!」僕はオークとの戦いで見せたかのような反射神経を見せる。僕の声で目が覚めたのかルインが目を擦り僕の方を見る。


「なんだ?アカツキ・・・目が覚めたのか。ほら、まだ横になってもいいんだぞ?」ルインはポンポンと膝を叩いて僕に言う。

「いやいやいやいやいや!!何してるんですか!は、恥ずかしくないんですか!?」


「恥ずかしい・・・?ふむぅ、こうすれば男は喜ぶといってたのだが、違ったのか?」

「い、いやそりゃ喜ぶかもしれないですけど・・・でも、そんなあって時間たってないですし!?」


「そうか?あぁ、そうだ。これから私のことはルインではなく師匠と呼ぶように。」

「ど、どういうことです?」

「アカツキを弟子にしたくなった。何私の弟子だかなりの栄誉だぞ。国が傾くかもな・・ふふっ」

ルインはくすっと笑うと僕の頭を撫でた。


「ル、ルイン・・・じゃない師匠?僕はどうしたんでしたっけ・・・?それにオークたちは?」僕が周りを見渡すともう空は赤みを帯びてまるで何もなかったかのように森は静かになっていた。


「あぁ、オークの親玉は私が倒した。しかし、オーク共を倒したのはお前だ。初陣でここまでやれれば上等だ。」ルインは立ち上がり僕に一言告げる。


「さぁ、行くぞ!これより先は白の国、私が仕えるマリアの国だ」

ゆっくりとルインは歩き出す。僕は急いで後を追いかける。


オークのいなくなった森は、優しく温かい風が吹いていた。

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