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オークロード

夜になった・・・僕とチク・テクそして、ルインは野宿をすることにした。

僕はルインにこれまでのことと流湖の事を知らないか話した。ルインは僕の話を最後までじっくり聞いてくれた。

「そうか・・・それは難儀なことだったな。残念ながら流湖という娘のことはわからない。」

そして、ルインは続けて知ってることを話してくれた。


「実はな、この英雄ゲームというのは本当は女性それも若い女性しかログインできないという話なのだが、どうやら条件によっては男もログインできるそうだ。」

「多分男としてログインができないため匿名措置としてそのような姿になったのだろう・・・英雄の名前がわからないと言うのは不思議だがな・・・」ルインは僕のほうをまじまじと見る。


「まぁ、良かったではないか 素直に可愛くて可憐な姿で。」ルインは僕の方をみてニヤっと笑う。

「それに、男性の漂流者も私が知ってる限り2人いるから今度紹介してやろう。」


それをみて、テクとチクは笑顔で僕に語り掛ける。

「アカツキ可愛い!」

「アカツキ綺麗!」

「こ、こらっ お前たちまでからかうんじゃない!」僕はテクとチクにめっ!と言うとテクとチクはシューンとしたように僕の足に座り込んだ。


「こらこら、リトルに悪気はないんだ。許してやれ むしろ、お前を助けてくれる存在だぞ?」

「あの・・・ルイン?リトルってなんなんですか?さっきのオークみたいな魔物・・・ではないんですよね?」僕は落ち込んでるテクとチクにもう怒ってないよといって頭を撫でる。


「あぁ、こいつらはリトルフェアリーといって英雄に勝利を呼び込む存在とも言われている。それに気まぐれな種族でな、英雄に懐くというのはほぼないといってもいい。」

それを聞いてテクとチクはむすっとしていった。


「私たち気まぐれじゃない!」

「私たちアカツキ守る!」

「ははっ、それは良かったなアカツキ心強い味方ができたぞ・・・さてと・・・」

ルインは森の茂みの方に目を向けると、一瞬で暗い茂みに剣を突き立てた。


「ぎゃあぁぁぁ!!」という悲鳴のあとに、蝙蝠のようなものが飛び立った。

「ル、ルインあれはなに!?」僕が驚いているとルインは言った。

「あれはオーク共の斥候だな。アカツキ鎧をまとう準備をしろ!来るぞ!」

「えっ、鎧ってどうすればいいのさルイン!あの時はたまたまできただけで・・・」

ルインは僕の方を見て言った。


「あの時と一緒だ!自分の気持ちを武器の形にするんだ。お前のあの時の気持ちで鎧を纏うんだ!」

あの時の気持ち・・・・守りたい・・・ただ、何かを守りたい・・・

すると僕の体が光輝き、またあの時の銀色の鎧を纏う。


「上出来だ。さぁ、武器を構えろ奴らがくるぞっ!」

ルインが剣を構える。それに習い僕も槍を構え敵を待つ・・・・

「やつらくる!」「やつらの親玉くる!」テクとチクがそういった瞬間・・・突然僕らの前を地響きと砂埃が襲う。砂埃の中剣戟の響く音だけが聞こえる。


「ルイン!大丈夫!?」僕が声をかけると砂埃の中から

「来るなっ!お前は他のオークの相手をしろっ!」と声が響き渡る。


「アカツキ右っ!」テクが僕の耳元で叫ぶっ!すると大きな剣が僕の横を掠める!僕は寸前のところで避けると砂埃の先に槍を突き立てる!

悲鳴と共に何かが槍に刺さる感触を感じる。砂埃が晴れてきた・・・・すると僕の目に飛び込んだのはとても同じ人間とは思えない光景だった。


ルインが戦っているオークは普通のオークの数倍の大きさで体に沢山の黄金の装飾品をつけていた。手には巨大な肉切り包丁のようなものを持っていて、ルインは剣を使わずそれをすべて右腕の拳で撃ち合っていた。


「貴様!やるなっ 我が剣を拳だけで防ぐとは・・・さすがは英雄面白い面白い!!」

「ふんっ!馬鹿を言え!パワーに全振りしてる脳筋にスピード勝負の剣を使う訳なかろう!」恐ろしいほどの轟音を立てながらお互いに致命傷になりえる攻撃を撃ち合っている。


僕の周りにも数体のオークが襲いかかる。昼間見た連中とは違い、黄金の鎧を纏っていた。僕はオークの攻撃を槍でいなすとその鎧に斬撃を加える。しかし、鎧は頑丈で大した傷をつけられなかった。

「ぐががが、人間悲しいなぁ・・・この妖精の鎧には傷つけられまい。」オークが高笑いしながら剣を僕に振る。


数体のオークの剣戟をいなしていた僕は狭い場所に追い込まれる。まずい・・・このままじゃ・・・

避け損ねた剣が僕の眼前に迫る・・・・その時だ

「アカツキ危ない!!」僕の目の前には青い髪の妖精・・・チクが魔法の壁のようなもので守ってくれた。

「アカツキあれは、私たちの種族から奪った鎧!」

「アカツキ私の力貸す!」赤い髪の妖精テクが僕の胸に手を当てる・・・・

「我は妖精の王の末裔・・・我が力英雄に分け与えん・・・」テクが言葉を紡ぐと僕の槍が光輝いた。


そして、僕は燃え盛る業火を纏った槍を手にした。



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