1、英雄ゲーム
夏の暑い日の事だった。PC同好会のクーラーの適度な効いた部屋で僕こと士道暁は一人涼んでいた。
いや、たしかに涼んではいたが僕はある調べ物をしていたんだ。「英雄ゲーム」あるネットの掲示板にでた記事である。
英雄ゲーム・・・スマートフォンやPCからログインできるゲームというのが噂だが、そんなサイトもゲームもどこにも存在しない。しかし、いつの間にかインストールされているという都市伝説のたぐいのものだ。それだけで済めばいいのだが、このゲームをやると何故か意識不明に陥るらしい。
実際にここ数か月、原因不明の意識消失事件が何十件も起きている。ひどいものでは同じ教室で同級生が数人まとめて昏睡状態に陥っているという話もある。
僕はネットの掲示板をざっと見回すとあるひとつの記事が目にとまる。
・英雄ゲームのルール
僕はそのリンク先の文章をみた。
そこにはメモを映した写真が載っているようだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
英雄ゲームで意識を消失する前に書かれたらしいメモがあったんだって!写真はっとくぜ
特定班よろしく!
1、十の聖遺物を集める。そうすればゲームは終わる。
2、プレイヤーは必ず1人の英雄の力を持つ
3、プレイヤーの名前を忘れてはならない。忘れたらその英雄と同じ運命を歩む
4、プレイヤーの死は・・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
僕はほかにも目ぼしい記事はないかと掲示板を目を通したが特に目ぼしいものは見つからなかった。
僕は同好会を後にすると1人病院に向かう・・・・ゆっくりと階段を昇っていき、ある病院の一室にたどり着く・・・ドアの横にはネームプレートが張られていて、櫻井流湖この病室の主の名前が書かれている。
僕はドアをゆっくりと開けると、ベットで横たわる彼女を見た。薄い紫の髪の長い髪の少女
「流湖・・・」僕は最愛の幼馴染の頬をそっとなでると名前を呼ぶ。半年前の事だった・・・僕は放課後彼女に呼ばれて教室に向かった。
教室に入ると彼女は僕の姿をみて笑顔を見せた。
「あっ、暁っ!あの・・・今日来てもらったのはね伝えたいことがあって・・・あのね・・」その時彼女の携帯に着信があった。
「もうっ、いいとこなのに・・・ごめん、ちょっとまって・・・何このアプリ?」彼女は画面をみて不思議そうな顔をするともう一度僕の方に向き直った。
「ごめんごめん、えっとね暁・・・私ね暁が・・・」彼女が言葉を言い終わるうちに・・・
彼女の体がぐらついた・・・そして、彼女は糸の切れた人形のように床に倒れた。
そして、彼女は眠りについた深い深い眠りに・・・僕は必死に彼女の名前を叫んだ・・・その時見えたんだ・・・携帯の画面から英雄ゲームという単語が・・・・
警察にも言った。しかし、彼女の携帯には何もないといわれ僕にも疑いの目がかけられた。
僕は仕方なく諦め、こうして英雄ゲームについて調べることにした。流湖を目覚めさせるために。
僕は彼女の手を握る・・・・
「流湖・・・今どこにいるんだ・・・会いたいよ・・・」彼女から返事はない当然だ眠っているのだから・・・
その時突然携帯から着信音が鳴り響く、僕が驚いて確認すると一通のメールが届いていた。
カノジョニアイタイ?
たった一言だけ書かれていた。僕は辺りを見回す、しかし誰もいるはずはない。
続けざまに着信音が鳴り響く。
ドンナケッカデモカノジョニアイタイ?
僕は恐ろしくなったがそのメールに返信することにした。
会いたい、会って話がしたい
ただ一言だけ・・・・
すると、すぐにメールの返信が来た。
ナラオマエモエイユウニナレバイイ エイユウニナッテコロシアエバイイ
その文章と下にリンクが張ってあった。僕は躊躇なくリンクを確認する。騙されたっていいそれが唯一の手掛かりなのだから・・・
突然目の前が暗くなる。そして頭の中で声が聞こえる。
ヨウコソエイユウゲームヘ
こうして、僕の彼女に会う旅が始まった。