雨

作者： ryo

　あの日、雨は止まなかった－－－

　ただただ降り注ぐ雨はその体を蝕んだ。瞬きさえ許さず、ただ眺めることだけが許された。

　ただ眺めることしかできなかったのは罪なのだろうか。それともただ眺めることしかできなかったのが罰なのだろうか。

　それが罪なら許されるのだろうか。それが罰なら許されたのだろうか。

　その声に返事などあるはずもなく、ただ雨音だけが響いていた。

　この何もかもを失くしてしまった世界で。

　雨は未だに止まないーーー

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