誘拐されて寂しいです・・<ウンディ誘拐1 聖歴2366年>
・・・これは、ウンディ様が
誘拐されてしまった時のお話
戻って来られたウンディ様が
私の腕の中で倒れられてぐっすり休まれた翌日
私にどんな目に遭われたのかゆっくりと話して下さいました。
「僕は、シーちゃん(シルフ殿下)がノンちゃん(ノウム殿下)に
泥のお団子食べさせるの黙って見てたんでしゅ・・・」
「僕・・・・悪い子です・・・だから
神様が罰を与えたんだと思いましゅ」
殿下達の周りには、お世話役を言い付かっている
私だけではない
常に身の回りの細々としたことをする下官が
付いていらっしゃる。
砂場でお遊びになられていた
ノウム様とウンディ様に付き従っていた
者達は皆その瞬間騒然としていた。
ノウム様が口から泥を吐き上げ
激しく咳き込まれていた。
砂場にお飽きになってすぐ近くの池で
遊ばれていた
シルフ様と、サラム様も駆け寄ってこられた。
「「ノンちゃん(ノウム殿下)~!!」」
シルフ様が作った泥団子を悪戯で
ノウム様のお皿に載せたと後で分かったのですが
そのシルフ様もさすがに真っ青になっておられました。
こんな中庭の真ん中で
たくさんの人が居るそんな中
まさかその騒ぎの間にウンディ様が消えているなんて
気づいた者は居ませんでした。
・・・・気が付いた時は知らないお部屋のベットの上でした・・
ウンディ様はそう仰いました。
僕は、目覚めてすぐに周りを良く見回したのですが
何処か全然分かりませんでした。
お外も全然見えませんでした。
だって、そのお部屋には窓がなかったのですから
「お目覚めになりましたか?ウンディ・リュース殿下」
何だか意識がぼんやりしたのですが
することも無いのでしばらくお部屋をグルグル見て回ったのですが
何だか女の人の声がしたので
僕は、どなたかお聞きしました。
「・・・・・残念ですが、今はお答えするわけにはいきません」
変な方だなって思いました。
お姿も見せてくれません
しばらく僕は、良くその状況を考えてみました。
「・・・・僕は、貴方に誘拐されたのでしょうか?」
誘拐されたのならば簡単にお母様や
ノンちゃん(ノウム殿下)、サーちゃん(サラム殿下)、
シーちゃん(シルフ殿下)に会えないのかなって
凄く寂しく感じました。
泣きたかったですが頑張りました。