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王宮ちっちゃな物語  作者: のえる
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お口とお口は・・・・?<聖歴2366年>


「お口とお口って・・・・?」


ウンディ様の分からないことがあると仰った続き

(お口とお口?)

心の中で私は思わず繰り返しました。



「「お口とお口って~!」」

サラム様とシルフ様が突然廊下の方から

私の部屋に飛び入って来られた。


「・・・・セイ・・・」

ノウム様も付いて来て居られた様だ。


「お口とお口を合わすのはどうしてですか?」

ウンディ様の円らな瞳と純粋無垢な質問に

私は、逃げ出したくなりました。

火照ってゆく自分の顔が止められません。

(「人が呼吸困難になったとき『人工呼吸』と言いまして

口を合わせて息を送る時が有るのですよ」)

といっそのこと誤魔化したかった。


もちろん私は、知っているのだ、その意味を

大人なのだから、年頃なのだから

知らない訳は無い・・・しかし殿下達に言えない。


「あのね・・・・サーちゃんとシーちゃんも

聞いて欲しいって言ったの・・・」

つまりウンディ様が聞き出すのを

お二人は廊下で待っておられたのか・・


「・・・・きしゅ・・・っていうんじゃないの?セイ?」

にやりと笑いながらサラム様が言う

知っているのなら聞かないで欲しかったと思いながら

誰がこんな3歳児にそんなことを教えたんだ!っと

慌てる。


「・・・・だいしゅきってしてるのよね?・・

あいしてゆ・・・のかしら?」

にんまりと笑いながらシルフ様が言う

どこで聞いてきたのだろうかこの耳年増のお子は?


ウンディ様が複雑そうな顔をしてお二人を見ている。

ノウム様がウンディ様の右手を握り締めて

慰めていらっしゃる。


「ウッちゃん・・・」

「くやしいでしゅ・・・・昨日の昨日は一昨日って

僕の方が知ってたのに

日月火水木金土って僕の

方が言えたのに・・・

僕よりシーちゃんとサーちゃんが

知ってたことが悔しいでしゅ」

涙を溢さん限りにウンディ様は悔しそうなご様子。


「ほんとに・・・本当に・・お口とお口とは

きしゅ・・って言うのでしゅか?」

答えを求められて頷くが

誰が殿下達にそのようなものをお見せした

あるいはお聞かせしたんだろう

まだまだ殿下達には早いこと

迂闊な・・と思いつつも

もしかして、殿下たちの母君が・・・?

そう考えて少しドキマギするが


「じゃあ・・・セイは、中庭の噴水の所で

きしゅ・・してたでしゅか?」

ウンディ様に聞かれて私は撃沈した。

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