魔族のおうじさま1~3歳~<聖歴2366年>
「若君様」
跪いて見上げてくる魔族にウンディは、びっくりした。
「どういう意味でしゅか?」
キョトンとした顔で、不思議そうに聞いてみる。
女王であるお母様と一緒に
辺境伯(?)の所に遠足(?)に
来ていたウンディは、
お母様が、お泊りしている館のおじさまと、
何やらお話している間にお庭で蝶ちょを見ていたのですが、
うっかりとお母様から少し離れてしまっていたようです。
「貴方は、我らの王の御子息、
どうか我と一緒に来て下さいませ。」
「・・・・・?・・・・お母様の家臣しゃんなのでしゅか?
お母様の所に行きましゅので、
そちらでお休みに行かないのでしゅ」
女王であるお母様には、たくさんの
家臣という人がいて、
家臣の人が、
『わがきみ』とか、
『しゅくん』とか、
『わがじょおう』とか、
『あるじ』とか言うのも
聞いたことがあったので、
家臣の人が、
こっちで休んで下さいと言っているのかと、
ウンディは、すげなくお断りしました。
小さく舌打ちをして、魔族は、ウンディに触れようと
手を伸ばしたが、
ウンディの背丈二つ分離れた位置に入ったとたん
バチッと音を立てて、
魔族の手が真っ赤に火傷した。
魔族は、悔しそうな表情で、
姿を消した。
すぐに飛んできたお母様の腕の中で、
ウンディは、
お母様は、魔族にも家臣が居るのですね・・・・
と、思っていた。