パートナーになって・・<14歳 聖歴2377年>
「ノウムちゃん」
そっとウンディは、ノウムの髪を撫ぜた。
「ウッちゃん」
ウンディと同じ緑の瞳を見上げてノウムは、
大好きな兄弟であるウンディを見る。
「ノウムちゃんは、僕が王様になったら巫子王になってくれますか?」
何処か真剣なウンディの瞳にノウムは、
まるでプロポーズでもされたように頬を赤らめた。
いや
巫子王国サフラ国において、
初代の王と、巫子王になった姉弟にして、夫婦であった
カルー女王とシルク巫子王にちなみ、
国王と巫子王は、形式的な夫婦とされている。
ノウムにとっては、プロポーズされたと同じだった。
「やっぱり駄目ですか?」
顔を赤らめたまま何も言わないノウムに
ウンディは、少し落ち込んだ表情になって、
上目遣いでノウムの顔を窺う。
「・・・でも・・・だって・・・
でもでも・・・・あの・・・ウッちゃん、
駄目じゃ・・ない・・。」
その(ノウムにとっては)
悩殺の表情に、あたふたしたあと
おずおずとノウムがそう言ったのに
「よかった~僕、やっぱり僕のパートナーは、
ノウムちゃんで無いとって思ったのです。」
ニパッと可愛い顔で
(でも、殆どそっくりの顔)
安心したように
ウンディが、そう返したのでノウムは・・・・・・
「!!!ああああ!!ノウムちゃん!」
泡吹いて倒れた。
「ノウムは、ウンディが
大好きで恋してるんだから、
あんまり刺激が強いこと言ったら駄目よ」
遠くでシルフの声が聞こえる。
(私、倒れたのね)
覚醒しつつある意識でぼんやりノウムは
そう思い出した。
「そう、いっそのこと
結婚しちゃいたい
とノウムは思ってるんだからウンディは、
不用意なこと言ったら駄目だよ~」
(恥ずかしい・・・・)
次に聞こえたサラムの声に、ノウムは、
穴があったら入りたい気持ちになった。
「・・・・・恋・・とか、結婚とか・・・
凄い事言ってますが・・
ノウムちゃんは、そんなこと思ってませんよ」
いちいち茶化すのは止めて下さい。
シルフとサラムの言葉の後に続いた
ウンディの声に、ノウムは凍りついた。
(ウッちゃんは、迷惑なんだ・・)
ノウムは、絶対に目が開けられなくなってしまった。
涙が出そうで、でも、必死で止めていた。
「ノウムちゃんは、純粋に僕を慕ってくれているだけです。
僕の方こそ、頼ってくれるノウムちゃんが嬉しくて、
可愛くて・・・・・・他の誰かにあげたくないな
とか・・思っていて・・・好きなのは僕の方なのですよ」
ちょ・・・ちょっと待って!!
ノウムは、驚きで目を開いた・・・・・。