リシスが<お母様6 聖歴2366年>
「リシスろのが?」
「うん~しょうらしーよぅ~
リシスがおとうしゃまになるんらって~」
うししと笑いながらシーちゃんが言うんでしゅ。
とウンディ様が真相を確かめに私のところに来られました。
「ねーリシスろのがおとうしゃまになるのでしゅか?」
シルフ様はいったいどこからそんな噂をとか
ウンディ様になんとお答えしたら良いのかと
私は冷や汗がダラダラとでてまいりました。
「・・・・・ウンディ様?それはそうとお腹が空きませんか?
アップルパイを貰ったのですが如何です?」
「・・・・・セイ・・・・それってルーイが
さっき持って来たのらないれしゅか?」
駄目でしゅよと軽く私を睨む。
確かに幼馴染で恋人(////)のルーイが私の差し入れにと
もって来てくれたのだったが
何とか話をそらそうと
思って出してきた。
「・・・・で・・・・リシスろのは
僕達のおとうしゃまになるのでしゅか?・・・・セイ」
「・・・・・えっと・・・・あの・・・・・・」
唾を飲み込んでセイはとりあえず何とか
答えなければと思いました。
「・・・・・・・リシス殿が・・・えっと・・・
ウンディ様達のお父様になるかは分かりません
ただ・・・・・リシス殿を押す者も・・・」
と言ってウンディ様を見ると
何それとばかりに眉を寄せて思いっきり首を傾げていた。
(しまった・・・・・3歳児に何を)
思ってしばらく考えて言い直す。
「・・・・・・お父様になるかは分からないんですけど
そうしたらどうかな~って言ってる人も居るんです。」
ふむふむとウンディ様は聞いた後
「・・・・・リシスろのがおとうしゃまって良いです
でも僕は、セイがおとうしゃまも良いと思うでしゅ
後、このえのお兄ちゃん達がおとうしゃまも良いと思うでしゅ」
キラキラした瞳でそう言った後
「でもでしゅね・・・・・・なんとなくでしゅが・・・
それはおとうしゃまが、めんめって怒りそうでしゅ」
私は嬉しいやら訳が分からないやらで
黙ってウンディ様の言葉を聞いていました。
第一、 リシス殿とかがお父様に良くて
お父様がめんめって怒るってどのお父様だ?
「・・・・・でもでもでしゅね・・・・・僕、
女王様のおかあさまと一緒にいるのはリシスろのが良いと思うのでしゅ
でもでもでもでしゅね・・・
おかあさまなおかあさまと一緒にいるのはおとうさまが良いの思うのでしゅ」
お母様なお母様って?
ますますもって意味が分からないけれど
ウンディ様は巫子王国の王族の血を引いていらっしゃるからか
時々直感じみた事を仰る事がある。
しかし、残念ながら私には訳が分からないことが多い。
けど・・・確かに
女王はちょっとだけだがリシス殿に対して
特別っぽい何かを感じてらっしゃるのではないかと思える時がある。
リシス殿の朱金の髪や
赤い瞳を物言いたげにご覧になっている事がある。
それがどう言ったものかは分からないのではあるけれど
端から見ていて
リシス様のその色彩とか顔立ちが
王国の初代の父、月の女神の愛を受けたとされる
聖カルフォス様の肖像画に似ているものを感じるので
まるでカルフォス王と月の女神
(どちらかと言えば女王の姉君の方が似ていると言われていたが)
が一緒にいるように見えることがあった。
さて・・・・・どうなることやら
私はこれからの事を考えて
私程度の身分の者が考えることではないけれど
何だか頭が痛い気がした。