お母様<お母様2 聖歴2366年>
「・・・・・・あのね・・・・。」
「・・・・・何が言いたいの?・・・・僕は許さないよ」
神殿の像を見上げるとそこに赤い霧が
立ち込めてみるみるうちに凝縮され
やがてそこにたっていたのは
女王と同じく14歳程の外見を持った赤い髪の少年だった。
「・・・・・・子供達のお父さんがね・・・・
私の・・この国の女王の公式な伴侶が必要なんだって・・・」
困ったような顔で見上げてくる女王に
少し苦笑すると少年はフワリと体重を感じさせない様子で
ゆうに10mは下の女王の所に下りてくる。
「・・・・・あいつらは君と僕との子だよだってちゃんと
僕と同じ赤い髪をしてる。・・君の伴侶は僕だ!」
ムスッと怒った表情の少年に女王は
「でもね・・・・・・・どう考えても
女王の夫にはなれない人だよね・・それとも一緒に政務行ってくれる?」
そんなわけないよね?と言う気持ち半分で
少年に尋ねたのに
「するする~」
少年はかなり気軽な様子で応える。
(絶対駄目みたい・・・・・やっぱり・・・)
ちょっぴり哀しい気持ちで女王は俯き
しかしすぐに顔を上げる。
「我が国を守る私の赤い守護者・・・・
私は国を預かるものとして国民に無用な不安を与えたくないのです。
・・・・だからもしこれ以上私に伴侶をと皆が望むのなら・・・・迎えます・・・。」
「いや~~!!」
「・・・・・・・貴方は、人の世にありながら
人の理から離れた者です・・・・・・・人の世に関与しながら
人の政に関与せず・・・ただ国を守護するものです。
・・・・・・だから・・・・・もしそういうことになってもごめんなさい」
凛とした女王の態度が徐々に崩れて少しだけ泣きそうな顔になる
「ごめんね・・・・・ごめんね・・・・
貴方にそんな苦しみを与えようと思って
貴方を守護者にと契約を交わしたのでは無いのに・・・。」
そっと少年を抱き締めて女王は何度も謝って
背伸びをして額と額を合わせる。
「・・・・・・大好きよ・・・・・。」