お母様<お母様1 聖歴2366年>
お母様
(ちっちゃい王宮物語22)
present by noel
「皆、真剣に聞いて欲しいの」
いっつも忙しいお母様が真剣な顔して僕達に聞いたのでしゅよ
ウンディ様が私、セイン=シルホードにそう語ってくださいました。
「貴方達はお父様が欲しい?・・・・・・
お父様に会いたいと・・・・って言うのは問題があるんだけど
・・・お父様って言うのが居た方が良いのかしら?」
僕はとってもキョトンとしたのでしゅよセイ
だってお母様がいらっしゃるしセイもじいじも奴の伯父様のおにいちゃんも
伯母様のおねえちゃんも近衛の隊長や副長のおにいちゃんも
いらっしゃって遊んでくださるのでしゅから
それに何よりお父様に時々お会いするのでしゅから
と仰ったウンディ様のそのお言葉に感動するやら
驚くやらでしたが
ウンディ様達のお母上の女王が
お子達にそんなことを聞かれた訳が
私には何となく分かりました。
もともと伴侶の居ない女王を諸外国や
私達臣下が色々言っていたのですが
最近、祖父の宰相が女王への見合い話を
集めだしたのです。
生まれてきたお子達の異常な魔力の強さと
父親がよく分からない状況から
女王のことは赤い守護者に捧げられた身だとか
神の子を受けた女王とかいってご結婚を
今までは無理に進めることはなかったのですが
ウンディ様達が立太子したりする事態
ご婚約やご成婚・・・(とこれは早すぎる心配ですが)の事態になったりした場合
それにこれからの諸外国との付き合いにもこのままでは
差しさわりが出てしまうかもしれない。
女王とて真剣に考えられる時が来たのかもしれませんでした。
ウンディ様達は
「お母様とじいじやセイが居るから良いのでしゅ!」
声を合わせて仰ったそうです。
そのお言葉に嬉しいと思いつつも
私もこれから大きくなってゆかれるだろう
ウンディ様達を女王と共に支えるご夫君のこと
思わず考え込んでしまいました。