皆みんな仲良いです・・・・!<聖歴2366年>
「大きくなったらノンちゃんは何になりたいでしゅか?」
「・・・・ウッちゃんは?」
今日も王宮の中庭でウンディ様とノウム様が
仲良くしてらっしゃる。
静かにその場に居て下さっているお二人に
私は微笑ましいなと頷きながらサラム様とシルフ様を探しに向かおうとした。
・・・が・・・
「セイン!・・・セイン!!」
僕の大切な女性がほんの少し頬をピンクにしながら
向こうから駆けてくる。
周りのお子達の直接の世話をしている女官達と
護衛官達の瞳が私とルーヴィ二人をグサグサと射抜く
(なぜこんな仕事場に来るんだ!!)
そう思いながらももしかしたら何か緊急の用事があるのかも知れない
そう思いルーヴィの腕を掴んでいったん周りに断りを
入れてからその場を離れた。
「何だルーヴィ?・・・・急な用事か?」
「・・・・セインが見えたから来ただけだけど?
・・・忘れないうちに渡しとくね?あのね・・・」
不思議そうなルーヴィの声に嬉しがって良いのか
仕事中に来るなと諌めるべきなのかと少し迷って
「・・・仕事中なんだ・・・私達はお子達に
全神経を尖らせていなければならないんだ。
・・・・それだけのことなら戻る」
ルーヴィに付き合ってる場合では無い
と背を向けて仕事に戻ろうとするがその態度にどうやらルーヴィは
無性に腹が立ったらしい。
「・・・・・・・セインの大馬鹿カチカチくそ真面目!!
ショタコンのロリコン!!」
私は、少し怯んだ。
「仕事人間仕事人間仕事人間!!!
お子様方大好き人間!・・・・・家庭より・・私より仕事を取るのね!!」
大いに怯んで恐る恐る怒鳴り散らしているルーヴィの肩にそっと
手を置いてみるがイヤイヤと体を振って振り払われる。
「・・・・・明日から御当主の視察に付いて行くの・・・一週間
だから・・・25日の聖カルフォス誕生祭のプレゼント渡しておきたかったのに!!」
「え!?」
「・・・・・会えないから今、渡しておきたかったのに。」
私の頬がだんだん熱くなってくるのが分かる。
「済まない・・・・ルーヴィ・・君の気持ちを考えるべきだった・・
ありがとう・・・・」
にっこり笑って機嫌を直してくれたルーヴィの手を握り締め
・・・てる所を見ている瞳があった・・。
何だかにまにま笑っている、
今の今まで姿をくらましていたサラム様とシルフ様だった。
「仲良いでしゅ~ね?シーちゃん」
「いちゃいちゃでしゅ~ね?サーちゃん」
クルクル回りながらお二人はお笑いになっていました。
一方ウンディ様とノウム様の方は・・・
「・・・・・うんと・・・でしゅ・・そうでしゅね・・じゃ、僕は
・・・ノンちゃんのお婿さんになりたいでしゅ」
「本当!?・・・・あのね・・・実はノンちゃんも
ウッちゃんの花嫁になりたいのぅ~」
にっこり無邪気なウンディ様の言葉に
もじもじとノウム様がお答えになっていたそうです。
ちなみにプレゼントは何でしたかって?・・・
それはペンとインクでした。
私は急いで彼女にプレゼントを用意することになりました。
とは言いつつも、でもやっぱり仕事中に話しかけるのは
やめて欲しいものだ。