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王宮ちっちゃな物語  作者: のえる
21/47

ずっとお友達なのでしゅ・・・・!の続き<お友達3 聖歴2366年>


「・・・良いのでしゅ!・・・もうレンヤンなんて・・・わがままばっかりで疲れました!」

幼子にありえないようなお言葉で

ウンディ様がため息と一緒に仰られたのに

私は途方にくれてしまった。




(このままお二人の間にわだかまりを残してはいけない

小さい幼子のくだらない喧嘩としていてはいけない・・)



「・・・・・もう良いのでしゅ・・」

ウンディ様が寂しそうな声音でもう一度呟かれたのに

ご自身も意地を張ってないで仲直りしたい

と思われているのではないかなと思う。

もちろんレンヤン様も、

他のお子様がたと一緒に遊んでいながらも

チラチラとウンディ様を見ているのだから

レンヤン様だって仲直りしたいのだ。






(なのに・・・・・一向に仲直りされないお二人に私は

頭が痛くなった・・・どうしてこうなるのか・・本気で寝込みたくなった。)






『ウンディの馬鹿ぁ~!!』

ウワアアン!!

「馬鹿じゃないでしゅ!」

アアアンン!!



「・・・・・・レンヤンの頑固者ぅ!!」

ウェ~ン!

『ウンディの方が頑固だぞぅ~!!』

ウェエエン!



言葉さえ超越して仲良しなお二人は

言葉さえ超越してどこまでもしつこく喧嘩をされていた。

お二人は連日、泣き喚いてばかりだったせいで

お顔がはっきり言ってボロボロになっていた。



(・・・・大人気ない・・・・)

と思いながら大人どころか子供・・

それも赤ん坊から幼児に入ったくらいのご年齢なのだから

当たり前か・・と育児ノイローゼになりそうになった。





時間が無い・・・もう・・なのに。



・・・・・もうすぐレンヤン様と

お別れをされなければならないのに・・・




「ウンディ様・・・・」

私は、ついにたまりかねてお互いに寂しがられるからもう少し寸前になってから

お教えしようと言っていたことをウンディ様にお教えした。


「レンヤン様は・・・・・レンヤン様方は、

もう少ししたら国元にお帰りにならなければならないのですよ・・・」










「・・・・・レンヤン・・・!!」

『ウンディ!?』

キョトンとした顔のレンヤン様にウンディ様は抱きつかれて

「ごめんなさい」を仰った。

見る見るうちにレンヤン様も泣き笑いの顔になって

『めんなさい』を言った。


「・・・・・ずっと無視して怒っててごめんなさいなのでしゅ!」

『叩いて、馬鹿って言ってずっと怒ってて悪かったぞ!』

ずっと仲直りしたかったお二人だったから互いが

謝ったらストンと素直にごめんなさいがお出来になった。



「・・・・・・行かないで・・・

お国に帰らないでくだしゃい!!」

グスグス泣いて抱きついておられるウンディ様に

まだ知らされていないレンヤン様はキョトンとした顔で


『・・・!?・・・・・何ら?ウンディ?』

ウンディ様の分からない言葉を理解しようとする。


「・・・・・僕とずっと・・・僕達とずっと遊んで欲しいでしゅ!

お国に帰らないで僕達の所で一緒して欲しいでしゅ!」







大泣きして暴れながらも

「ずっと友達だ」と約束し合うお子達を引き離した私達はとても

切なくて・・・・・・でも・・・どうぞ幼子達のこの灯火のような儚い、

けれど純粋な誓いが護られたら良いそう思いました。

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