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王宮ちっちゃな物語  作者: のえる
20/47

ずっとお友達なのでしゅ・・・・!<お友達2 聖歴2366年>


『嫌いら・・・』

レンヤン様が目の前で泣いていた。

ウンディ様は慰めるようにじっとその姿を見ておられました。


「レンヤン・・サーちゃんとシーちゃんは・・

多分悪気が無かったのでしゅ・・・」

お二人の目の前には真っ二つの破れた本

ウンディ様は、レンヤン様を慰めるのが

ことのほか難しいと思われたのか

下を向いて幼子には似合わない

ため息を一つして

立ちさられた。

一瞬レンヤン様がその姿を目で追うような

仕草をしたが再び頬を膨らましそっぽを向いた。




やがて戻ってこられたウンディ様が糊を持ってこられたのに

私は、本を直すおつもりなのだと気づき


「・・・・・・ウンディ様、本を直すのだったら紙も要りますよ」

とお教えし、あたりに何か使えるものが無いが探してみたのだが

直そうとしているのに気づいたレンヤン様が怒り出した。


『いやら!!・・・・もう本要らないの!・・・あっち行け!』





「・・・・!!・・・・もう!・・良いでしゅ!・・・バイバイでしゅ!」

しつこく怒っているレンヤン様に

温厚なウンディ様もついに怒り、運の悪いことに投げた

糊の入れ物がレンヤン様の頭に当たった。


『・・・!!!・・・ウンディの馬鹿!勝手にあっち行け!!』

泣き喚きながらウンディ様に思いっきり叩きながら

飛び掛ったレンヤン様に

私は驚いて引き離しにかかった。




・・・大喧嘩が起きてしまった・・・









ウアアアアアンン!!ア~ン!!

レンヤン様と引き離してレンヤン様は母上様に

ウンディ様はお部屋にへとお送りしたのは良いのですが

大泣きされたまま泣き止まれません。

そこらじゅうに響き渡っているそのお声を

少し離れた私の部屋で聞きながら私は、

祖父の老宰相のお話をお聞きしていました。


「・・・・・元気の良いお声じゃな・・・」

「はい・・。」

「お互いの心にわだかまりが残らねば宜しいが・・・」

宰相は、どこか意味深なため息を付いてゆっくりと

私に視線を戻し話し始められました。


「・・・・・・モルドルの、オタル族のお客人じゃが・・・・・・」


宰相の話をお聞きして私は

何だか切なく、そして焦燥感に駆られました。



(仲直りをされなければ・・・!!)




けれど・・・・



「・・・・サーちゃん、シーちゃん、ノンちゃん遊びましょう!」

ウンディさまは、ずっとお怒りを忘れないままで

レンヤン様だけをのけ者にして遊ばれています。


レンヤン様もその様子を見て怒る怒る

そして泣いて喚いて

収集が付かない状況になってしまいました。


「レンヤン!なにしてるんら!遊ぼう!」

「遊ぼう遊ぼう!」

もともとの原因であるはずのサラム様とシルフ様が忘れたように

お誘いになるのにレンヤン様が顔を輝かせて近づこうとするのを

ウンディ様が


「レンヤンが来るなら僕があっち行くでしゅ!!」

と行ってしまわれた。


『ウェ~ン!!!』

後に残ったレンヤン様が大声で泣き出したのに

背を向けてウンディ様は完全に無視された。


(幼児とはサラム様やシルフ様のように自分のしたことも

怒りもすぐに忘れたりするものでは無いのだろうか?)


「まったく・・・・もう時間がありませんのに・・・」

小さく私は呟いた。






「ウンディ様・・・・・本当にこのままで良いのですか?

仲直りをされなくても良いのですか?」

1人地面に絵を描かれているウンディ様の横にそっと

座らせていただくとそっと問いかけてみた。


「・・・良いのでしゅ!・・・もうレンヤンなんて・・・わがままばっかりで疲れました!」



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