食べちゃおうと思ったよ~・・<聖歴2359年>
・・・・お疲れ様・・
お休みなさい・・
少女の瞳から涙が零れる一粒二粒
でも笑っていて
少女には分かった
彼にとって本当に死は
安らぎなのかもしれないと・・・
無理に引き伸ばすことの苦しみもあるのだと
やがて少女は唇を噛み締めて立ち上がった。
「・・・・・・・一緒に行こう?」
女王としての初めての仕事は
少年のことだと思った。
「・・・・私と一緒に傍に居てくれる?」
「うん!もちろん!」
「・・・・・・なら・・・・・人間として
罪を償わなくてはならないのよ」
いくら幼い少女でもそれは分かっていた。
人として生きるなら人のルールに従わなくてはならない
「人じゃないけど・・・」
「人じゃなくても・・・・人の中で生きるなら・・」
「君と一緒なら良いよ~」
「じゃあ・・・・・罰を与えます・・・・
サフラの国主として・・・・貴方に・・・」
少女は懸命に考えた・・
何も無しでは国の皆に申し訳ない・・・
でも大好きの気持ちで加減したらいけない
「・・・これからは、その名を捨てて・・・
生きること・・・二人を返すこと
吸収してても作りなさい!出来るでしょ!」
「・・・・・魔族も捨てて・・・そうね・・・・サフラの守護になる・・
と同時に・・・・私の守護になる・・
・・・・・私が死ぬ時に・・・・一緒に・・・死ぬのよ・・」
・・・約束・・・
少年にとってとても
甘美な罰
食べちゃおうかなっと思った
もちろん王位に復帰出来るような状態ではない彼女に代わり
即位した少女の体を抱きしめて
少年は誓った
「僕は契約する・・・~・~=サフラの名を持つものを
主とし・・・神聖な月の女神の国巫子大国サフラと
主を守護することを
その真名・・・新しい名前に懸けて・・・
これからはずっと一緒だよ・・・」
「・・・・うん・・・」
こつんとおでこをくっつけた
少女の方の顔は真っ赤だった。
少年は再び
食べちゃおうかなっと思った。
なるほど・・・よく考えれば
少女は実年齢まだたったのこれだけ
まだまだ成熟していないのだな・・
少年は納得した
良し・・・この息で唾付けとけば
大丈夫
でもいつか食べちゃうからね~
「ああ・・・そうだ!
私ね考えたんだけど彼を
今度は私が生んであげようと思うの・・
今度こそ生きることが楽しいって分からせるの」
にっこりわらって腕の中の少女に少年は
(つまりは食べちゃって良いと?)
と心の中で呟いた。