聖獣と一緒・・・・!<四精獣召喚 14歳 聖歴2377年>
あのね~僕達の国には巫子王と
それからそれぞれ四精を司る聖騎士が居るんだけど
聖騎士は司ってる四精の相棒が居るんだよ。
それは竜だったり
鳳だったり麒麟だったり大狼だったり色々。
四つ子で生まれてきた僕達は
赤ちゃんの時から才能が有ったみたい
天才だね~
やっほ~!僕はサラム・カルス=サフラだよ!
いちよう四きょうだいの一番目の兄上とされてる僕だけど、
何だか下のウッちゃんとノンちゃんは
関係が怪しいと思う!
ブラコン、シスコンに違いない。
「なぁ?イフリータもそう思うだろう?」
尋ねてみたら僕の肩の上に居たイフリータが
クスクス笑いながら大きく頷いた。
イフリータは今、紅蓮の炎をそのまま宿したような髪を持った
手の平程の大きさの少女の姿をとっている。
「ノウムちゃん、そうじゃないのですよ?」
「ウッちゃん・・・・」
また二人でイチャクラと剣術のお稽古をしている。
「・・・・良いですか?
剣を握る時に目を瞑って振り回したらいけないです・・
危ないですしね・・・・」
ウッちゃんがクスリと柔らかく微笑み
ノンちゃんに話しかけると
みるみるうちにノンちゃんの頬がピンクに染まってゆく。
「良いですか!?」と見本を見せるように
自分の剣を構えて見せているウッちゃんを
ノンちゃんはうっとりと見つめているように僕は、見えた。
・・・・もしかしたらブラコン、シスコンどころか
出来てるのかも知れないなとその様子を見て僕は思う。
「サラム~!なにやってるの?」
その声に後ろを振り向いてみると
ニマニマ笑いを浮かべながら此方に近づいてくる
シーちゃんが居た。
「なになに~!?またウンディとノウムが
乳繰り合ってるの~?」
心底楽しそうに話しかけるシーちゃんに
ウッちゃんとノンちゃんに
(もう気づかれているだろうけど)気づかれないように小さな声で
「うん!・・・・もうイチャイチャだよ~」
とシーちゃんに答える。
ヒッヒッヒッと不気味な笑い声を上げ震わせている
シーちゃんの肩の上には
背中から翼を生やして羽の耳を持つ
小さな少年が眠っていた。
「・・・あ!!」
ノンちゃんの声に振り向くと
いつの間にかノンちゃんの剣(細剣・・レイピア)が手元から消え
代わりに黒い小竜がパタパタとその前を飛んでいた。
「・・・・・また・・・戻ってしまいました・・
ウッちゃん・・・ごめんなさい・・」
泣きそうなノンちゃんをウッちゃんと、先ほどまで
ノンちゃんの剣になってた黒竜が慰めているので
こっそり覗き見の僕と、シーちゃんは
入り込めない雰囲気で立っています。
「ノウムちゃん?僕は、いつでも付き合うのだから
そんなに焦ってディールの武器化頑張らなくても良いんですよ?」
その声にいつの間に人間化したのか黒竜、黒髪黒い瞳のディールが
(ノンちゃんは絶対ウッちゃんの『ウンディ』から
名づけたと思う・・・ウププ!<笑>)
ノンちゃんの頭の上で小さな手で撫ぜ撫ぜしている。
「・・・・・アンフィトリテ!」
グズグズ涙のままのノンちゃんに
困ったような顔の後ひとつ頷いてウッちゃんが呼びかけると
見る見るうちにウッちゃんの持っていた中剣・・ミドルソードが
溶けるように形を崩し透き通った青い髪の少女の姿になり
その手から虹を生み出す。
「・・・・見て・・・ノウムちゃん・・
この虹上げるよ?・・見て?」
下を向いていたノンちゃんがゆっくり顔を上げると
同時に笑顔になる。
それを見て僕は、シーちゃんとその場を離れた。
(ノンちゃん良かったね・・・・
でも・・・・
このまま本当に二人が出来ちゃったら・・
すっごく面白いだろうな!!)
心の中でワクワクしながら
「ねっ?」
とシーちゃんに声を出して同意を求めたら
「うん!!」
とシーちゃんもワクワクした様子で頷いた。
僕サラムには名前の通り火
シーちゃんシルフには風
ウッちゃんウンディには水
ノンちゃんノウムには土のそれぞれ聖獣が付いているのだから
世界最強だね~