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王宮ちっちゃな物語  作者: のえる
14/47

赤い霧、貴方が僕を助けるの?・・<ウンディ誘拐6 聖歴2366年>

「・・・・・難しいでしゅ・・・・大好きが一緒なら

良いのでしゅが・・・」

ため息が漏れました・・・

一人になってしばらくするといつものように

家族が恋しく物悲しい気持ちになってきて

でも気を紛らわすためにご本やおもちゃでたった一人

遊ぶのに飽きてしまってつまらなく

余計に寂しく思いました。


「お母様・・・・会いたいでしゅ・・・・

帰りたいでしゅ・・・」

手持ち無沙汰気味に服の中に手を突っ込んで

首に掛けられたお守り袋を取り出しました。

この中には一つの石を兄弟で分け合ったカケラが入っているのでした。

透明な涙石・・・

恋しい気持ちをそれで紛らわすことにしました。



「・・・・!!?・・・・・誰でしゅか?」

何だか温かいような冷たいような変な気持ちがして

思わず振り向くと目の前には赤い霧が凝っていました。


「・・・・フィリアさんの・・・ものでは無いでしゅね?」

何か懐かしい気持ちすらする


「・・・・お母様・・・・・?」

危険じゃ無いと何故か分かって

僕の体を霧が包んでゆくのをじっと見つめていました。



霧を感じ取ろうとする度に深まる霧に僕は

瞳を閉じて更にじっと体に感じようとしました。


「おい、子供・・・・・お前はそれでも

ルナの子か?感じるだけで姿が見えないか?」

「まったく・・・・ドの方が素質があるんじゃないか?」

魔力は余るほどあるものの

その方向性も

修行すらまだ始めてい無い3歳の子供にそう言う

霧に僕は訳がわからなくなりました。


「・・・・姿・・・・?」

口に出して言ったとたんくっきりと目の前に立つ

深紅の髪の14位の男の子の姿が見えたです。




「誰でしゅか?」

「・・・・お前の父・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・嘘でしゅ・・・・!」

思わず否定の言葉が口に出たのです。





我に返った僕は、

慌てたようにまくしたてたのでした。

「・・・・・・・・父って・・・父って・・・・

僕のお父様でしゅか?・・・父ってお父様でしゅか?

どうしてでしゅ?何故お父様が突然霧で現れるのでしゅか?

なんでこんなびっくりで出てくるでしゅか?

僕のお父様は霧だったのでしゅか?

お母様はどうしてお父様は霧だって教えてくださらなかったのでしょう!?

え・・え・・?・・お父様は僕を助けに来てくださったのですか?

探しに来てくださったのですか?

お母様はどうしてらっしゃるのです?

さーちゃんやしーちゃんやのんちゃんやセイは?

・・あれ?お父様って僕たちと同じ赤い髪なのでしゅね?

それにしても・・・・僕・・・僕・・びっくりしたでしゅ!!!

とてもとてもびっくりしたでしゅ!!!」


実際はそんなに上手に言えなかったと思いますが

そう言いたくていっぱい言ったです。


「・・・・・・・望みは何だ?」

「・・・え・・?」

僅かに頬を真っ赤に染めて嬉しそうに

まくし立てる僕に霧のお父様は

一言僕の望みを聞いたのです

僕のお話聞いてなかったのでしょうか?

僕のお話・・・いっぱいしすぎでしたでしょうか?

反省して

望みって言うのをよく考えてみたです。





「・・・・お母様に・・・・・

魔族の・・・・仲間外れをしている人に

駄目でしゅよって怒ってくださいって伝えて欲しいでしゅ・・・」


何故か僕はその時望み=願い事は一つしか

言ってはいけないのだと思って

それを望みました。





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