1話「二つの感情」
ある日、私が所属するX県警察署の堀越兼警視総監の発表により明らかとなった謎のプロジェクト。彼によるとこのプロジェクトは今後の社会に必要らしい。。。
私がこの仕事を始めてから少し経った頃、私が所属しているX県警察署のトップである堀越兼からの発表により大きなプロジェクトが始まることが決定した。そのプロジェクトの内容は、一度重い罪を処された犯罪者、及び死刑囚を使いこれから増えるであろう犯罪者を探し出し確保、撃退をするというものだった。罪を処された者であろうとも、人間であることには変わらない為、警察側としても激しく同意する者は少なかった。
私はこのプロジェクトとは全く関係ない仕事をしているため、このプロジェクトには参加しないものだと思っていたのだが、どうやら堀越警視総監は成績優秀の警官から選抜してプロジェクト参加者を決定するという。私自身から言葉にするものではないが、私はX県警察庁の中ではかなり優秀だ。案の定私はこのプロジェクトに参加することになったのだ。
プロジェクト自体に異議はないが、犯罪者をもとの社会に戻すだけの仕事をしていただけの私がこのプロジェクトに参加する必要性が皆無だった。いくら成績優秀だとしても、仕事内容がまるで違うことで私は心のどこかで不安が芽生えていた。そこで私は「これは人生において必要な経験になる」と自分に言い聞かせることにした。
数日後、プロジェクトに参加する者が早朝から集めれ、堀越警視総監直々によるプロジェクトの詳細の発表を聞くことになった。
「では、当プロジェクトの詳細を発表する。」
選ばれた警察官は姿勢を正した。
「このプロジェクトでは、10000人以上の犯罪者を5人1グループに分け、それぞれのグループに1人の警察官を担当させ、グループに与えられた課題をクリアさせるというものだ。なお、複数のグループとの連携で課題をクリアさせる場合もある。このプロジェクトはグループの担当者である君たち警察官によって左右される。課題を多く達成できたグループほど良い報酬を提供しよう。そして、最も多くの課題を達成できたグループの担当者には昇格を、グループメンバーには元の社会に戻る権利を与えよう。以上だ。」
私はかつて幾多の仕事をこなしてきたが、このようなお話を聞くのも仕事を依頼されたのも初めてだ。私はこのプロジェクトの詳細を聞いたときに、高揚心と不安を感じた。
今日も私は罪に錠をかける。