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夜泣き
天才はたくさん泣いていた。
何をしても泣き止まなかった。
情報も少ない中でただ抱っこする事しかできなかった。
それでも、
よく笑った。よく飲んだ。よく食べた。
みんなと変わらない。
順調に育っている。心配事もない。
少し遅めだったけれど自分の足でしっかり立ち、
一歩。また一歩と歩いていく天才の後ろ姿は逞しかった。
天才と一緒に私も少しずつ母親になっていたよ。
写真を見返せばたくさん笑っていた。
ちゃんと見ている。ちゃんと聞こえている。
ちゃんと理解している。
鏡に向かっていろんな表情を見せていてくれた天才。
この先、この輝かしい表情を私は何度曇らせることになるだろう。
今はまだ知るよしもない。




