1/7
命
高2 冬。
私は小さな小さな命をお腹に宿した。
気づけばもうお腹が膨らんで
迷う事なく産む決心をする。
制服姿に膨らんだお腹。
世間はまだ冷ややかな目で私を見る。
怖いものなんてなかった。
当たり前に出産し、当たり前に育児をする。
そんな未来しか予想していなかった。
いつからかな。この暗闇を彷徨い明けない夜を過ごすことに気づいたのは。
今でも考える。
この命を宿した瞬間に戻れるなら、戻りたい。
君の未来が変わっていたんじゃないかと。
私はこの子を天才と呼ぶ。
天才よ。私はあなたの母親になれた事、幸せに思うよ。なのに、なぜこうも立ち止まってしまうのだろう。
天才に光が注がれた日、私はあなたの母親になった。
やっと会えたね。天才くん。




