表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

第1話 罪

 ——(盛者必衰、本当にそうだろうか……私は………)




時は147年、これは海に()()()一つの島国の物語。


——ここは外界との関係を閉ざした国、"ヒノモト"


ここに後に大事件を起こすある一人の青年がいた。

彼の名は、(あかつき)という。ヒノモトの辺境、加留藩(かるはん)と呼ばれる郷の大の問題児である。


甘味処店主「こらーー!!!!またんかー!!!!!暁ィ〜〜!!!!!!!!!」

いつもの様に暁に対する怒号が加留藩中に響き渡る。


暁「はっはっは!!てめぇの足じゃあ俺には追いつきっこねぇよ!加留一の韋駄天を舐めてもらっちゃあこまるぜ。じゃあなー!うまかったぜ〜!」


甘味処店主「ぜぇ…ぜぇ…くそ……また逃げられた……」

バテている店主にその娘が近寄ってきた。

娘の名は、(ここ)という。暁と同じ18歳である。


心「お父さん、大丈夫?暁の無銭飲食?」


甘味処店主ガリョウべぇ「あぁすまん、心。ったく、あの野郎…!!!」

心がガリョウべぇの頭に拳を振りおろす。


心「団子を出さなきゃいいじゃない!バカなの?」


ガリョウべぇ「痛ぇ…(涙)いやぁまぁ、、あいつも寂しいんじゃろうなぁ。それにいつも美味そうに食うもんだからついあげちまうんだよ」


心がもう一度ガリョウべぇを殴る。

心「バカなの!?お父さん!!それじゃ商売になんないわよ!」


ガリョウべぇ「商売も大事だが、あっしにとって一番大事なのは客の笑顔じゃい」


その時、とても大きな銃声が辺りに響き渡る。


バンッ!!!!!

ガリョウべぇが道に倒れ、辺りにいた町人たちは何が起こったのかと動揺する。


心「お父さん……?」


加留藩に暗い影が差し迫る…



場所は変わり、富豪山。加留藩と隣の藩、平米藩(へいべいはん)の境に位置する山である。


山の頂上にて、

暁「美味かったなぁ…!ん?あれは……!!!?」

暁の目に燃え盛る加留の地が映る。


暁「…………!?どうなってんだ……!?」

暁の脳裏に加留の人々が思い浮かんだ。それ共に、一目散に加留の城下町に戻る。



——加留藩 十三城(とさじょう)にて


加留藩大名国守 伝山(くにもり でんざん)「何者じゃ!!!許可なく城内に侵入しよって…!家臣たちによくも…我らの加留によくも……!!!」


???「お上の命ゆえ」


伝山「…!!?お上だと…?なぜだ!!我々が何をしたと言うのだ!!!」


???「19年前の()()()()の犯人を匿っているそうだな、伝山殿。」


伝山「ッ…………!!?なんのことだ!知らぬ!それに19年前はこの藩でも()()()()と事件があったのだ!!匿う暇などなかった!!!!」


バンッ!!!!!!!!!!

伝山は脇腹を銃で撃たれる。


???「もう証拠は上がっている。国家反逆の罪で加留藩は改易だろうな。」


伝山「………クッ……!!」


謎の男は大名伝山を撃ち、城内に火をつけ去っていく。謎の男が加留を去ろうとした時、暁が目の前にいた。


???「何者だ?」


暁「なんだ…この惨状は!!!誰だ…お前は!!!!!!みんなはどこだ!!心は!甘味処の親父さんは!大名殿は!!!!みんなをどこにやった!!!!」


???「個人の名を言われてもわからぬ。ただ、俺の前にいたやつはみな殺したが?」


暁「…!!」


???「………………お前、その腰に刺した刀はお前のか…?」


暁「それがなんだ!!!この刀はおれの母親の形見だ!!」


???「母親の形見……………なるほど…そういうことか……だから探しても見つからなかったのか……お前、名は?」


暁「暁だ…!!」


???「暁…国家転覆未遂罪で取り押さえさせてもらう!!!」


暁「ふざけるな!!!!!なにが国家転覆だ!!俺はなにもしちゃいねぇぞ!!!!それに、お前はだれだ!!」


???「…………お前の存在こそ国家転覆未遂罪に値する」


暁が抜刀し、謎の男に斬りかかろうとする。

暁「ふざけんじゃねぇ!!!!よくも加留を!!!!よくも……心を…!!!!!そりゃあーー!!!!!」


ジャキーン!!!!!!


暁「………なんだ…!?」

謎の男が霧のように散り、周辺に燃え盛っていた火が一瞬にして消えた。


???「………!!!?…能力か…!油断した……!!既に開花していたとは……」


暁「おい!どうなってやがんだ!!!」


???「……無意識なのか…!?これがお前の能力だ……まだ未熟だがな……ハァ…ハァ………死ぬ…のか……」


暁は目を皿にして謎の男を凝視する。


李善「おれの名は…李善りぜん………お上の……政府の……役人だ……教えてやろう…お前は………真の………だ…」


暁「……は?」


李善「………その……力が……証……だ……おれは…お前を…いや……本……は…お前の…鶴姫を……し……その……安寧の力を……いまの帝‥………万………に献上す………が……使……だった…………」


暁は理解が追いつかないようだ。


暁「なにを言ってるかさっぱりだが……それがどう罪になるだよ!!!」


李善「…………つまりはお前の存在があったからこそ……!!この加留は滅んだ!!!お前と言う存在がいなければ!!加留も…その町人たちも生きていた……!!!!!」

それを言い残し李善はとうとう目を開けることはなかった。


暁は完全に一人になったと思っていた矢先、瓦礫の下で誰かが助けを求めていた。

瓦礫をどけるとそこには心の姿があった。


暁「心!!!!お前生きていたのか!!!!!…よかった…!!本当に…よかった!!!」

涙を流しながら喜ぶ暁。


心「お父さんが…死んじゃった…役人に殺された…」


暁「……!!!…………すまねぇ……全部俺のせいだ…」


心「え……?」


暁「おれは……国家転覆未遂罪っちゅう罪があるらしい…よくしらねぇが……だから…すまねぇ…親父さんのことも……この郷のことも……」


心「ねぇ…わたしたち小さい頃から一緒だったじゃない…わたしは全部知ってる……あんたはの罪は…無銭飲食だけよ……国家転覆未遂?あんたがそんなのできるわけないじゃない…完全に濡れ衣よ」


暁「心……。」


心「国家転覆未遂………ねぇ…暁….どうせならほんとにしちゃわない…?あたしは…父さんの仇を取りたい…!」


暁「………おれは親父さんの団子で成長してきた……無銭飲食だが…。俺は…親父さんや、町の奴ら、大名殿の仇をとりたい…!…いや、とってやらぁ!!!!!!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ