↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
PR

魔法主義の世界で唯一の能力者だったみたいです

作者: 南瓜の煮物
掲載日:2023/09/23

幼稚な言葉や分かりにくさ、矛盾が多発することかと思いますが、多めに見てください(横暴)

 僕の生きるこの世界には「魔法」が存在した。

攻撃、防御、回復、強化に、まさになんでもござれの超常現象である。


だが、突然変異でユニークスキルを持つ者が現れた。そして、その者の子からは魔力構築を一切行わずユニークスキルのみ保有した怪異個体が生まれた。

怪異個体の子はユニークスキルで天下を取るに至った・・・・・・・

     

       そして、人々は彼を『能力者』と呼んだそうだ。



これは、この人類史で2番目に有名な逸話である。


童話の様に語り継がれて僕の世代まで残っている。

ちなみに一番有名なのは生物の魔法の起源の話である。


まぁ、そんなことは僕には全く関係のない話しだ。


なぜなら僕は魔法が全く使えないからである。


この世界では生まれた瞬間から魔法を幼稚ながらに使えるのが一般的らしいが、僕は16を超えても魔法の魔の字も使えやしない。


だから僕は考えたのだ。もしかしたら僕は能力者かもしれないって。


だが、僕はユニークスキルを授かっちゃいなかった。


 そもそも、スキル。というのは生まれたその日から神から授かるとされているもので、教会で確認してもらいに行き、基礎ステータス、スキル、魔力量を測ってもらうのだ。


が。しかし僕にはユニークスキルなんて物なんてなかった。


えぇ~と、つまりあれだ、『俺絶対ADHD障害だわ~』とか心配されたくて言ってる痛い奴と僕は同じようなもんだったということだ。


あれ、おかしいな目から塩水が・・・・・


あ、あぁ、うん、ま、まぁ、


今はそんなことはどうでもいい。今日はなんと愛する妹の10歳の誕生日なのだぁ!!!


それを祝わずして何が兄だ!今日だけのために生きていると言っても過言じゃない!


魔法の使えない僕は特になぁあぁああ!!


・・・・あれ、目から塩水が(本日二度目)


・・・・・・・そんなこんなで、うれしくも悲しい不思議な朝を迎えるのだった。



僕の愛すべき、そして愛されるべき妹こと≪ヴァレン・タイン≫は、言葉を理解するより先に魔法を操り、8歳にして勉学の才能の頭角を現し始めた。これは間違いなく神様のお墨付き!神をも認める天才なのだ!

僕の遺伝子も全部根こそぎ持って行ったとしてもお釣りが来るレベルのハイスペックな妹なのだ!

 これは無能の僕と言えど祝わざる負えないだろう。

 

 そんなことを心中で呟きつつ、のそのそと洗面台に向かい顔を洗う。

適当に服の袖で顔を拭ったのち、いつも通り木こりをしているであろう父の元に出かけることにした。


今日は天気も良い。こんな良い日には妹の誕生日にぴったりである。魔法が使えたのなら、きっとあの空を妹と共に泳ぐように飛べたのだろうと思うと、悔しさが心に響く。

 そんな感傷に浸っているうちに、森の奥にまで来てしまっていた。


僕は心地よい風と日光に絆されるように、ゆっくりと木の峰に体を預けて座り込んだ。こんな日には少し

転寝をするのもよいだろう。

 朝起きたばかりで睡魔が完全に覚醒しない中だったせいか、再び瞼が重くなっていき、抗おうにも抗いたくない睡魔に僕は負けて、瞼を閉じた。


嗚呼、心地いい。

良い風が吹く。

体の表面を優しく撫でる日光と葉がこすれる音。

騒々しく飛び立つ鳥の羽音に焦げ臭いような異臭。


・・・・・・・ん????


 朧げな意識で異変を感じた。 

そしてその異変は徐々に明確な物になっていって、僕の意識は覚醒していった。

瞼を開ける。

見える範囲ではいつも通りだった。

視覚だけでは捉えられない物だったが、僕の第六感が不安を感じ取っていた。

嫌な予感がする。悪寒が走る。舌の裏がヒリヒリする。

居ても立っても居られなくなった僕は、今までにない程の速度で疾走した。

木々をすり抜け、獣道をたどり、ひたすらに村に向かった。

走って行く内に匂いはきつくなっていく。人々の阿鼻叫喚の音が近づくのを感じる。

煙の臭いで時折むせながら、不吉な予想が的中しないことを切に願いながら・・・


 足に乳酸がたまり肺が痛みを訴え始める頃。

僕はようやく村に帰ってきた。

僕は思わず口元を押さえてた。その場で立ち止まった。


僕の視界を埋めたのは赤一色であった。心地よかった風が炎を巻き上げ、青かった空ですら黒煙で見えなくなっていた。

僕よりも幼いであろう子が一人で泣いている。畑は無惨にも燃え尽きてぱちぱちと音を立てて家が倒れる。

僕の中に様々な感情が渦巻いていた。恐怖、怒り、心配。

これが、僕の住む村だろうか?違う・・・・そう思いたかった。


嗚呼、地獄があるならばきっと、こうなのだろう。

あまりに非現実的な光景に白昼夢の様な感覚に陥った。


その瞬間。轟音が炸裂した。その音ではっとして、木魂する轟音の方に視線を向ける。

僕の家の方向であった。そう理解する前に僕は重い足を上げて走り出していた。

妹は?母は?父は?

走る間にも知り合いの亡骸を多く見かけた。そのたびに不安が募っていく。

走って、走って・・・そして、そして・・・・・


僕の家は燃え盛り、白い狼の様な化け物が凛とした雰囲気を纏っていた。

その視線の先にはヴァレンがいた。額からは血を流して、ただ重力に従うだけの左腕を庇う様に抑えていた。

これが今日10歳になったばかりの少女がする表情だろうか。

怒りが湧く。殺意が湧く。僕は駆け寄って化け物とヴァレンの間に立って腕を広げた。


「お兄ちゃん。ダメ!早く、逃げて・・・!」

そう、こちらの胸が張り裂けそうな弱々しい声で叫ぶ。こんな小さくてか弱い少女を置いて一人逃げおおせる事なんで到底できない。自分を犠牲にしようだなんて本当にできた妹である。


「ヴァレン!早く逃げてくれ!何としてでも時間は稼いで見せる!」

「・・ッ!・・ダメ!!!私、もう歩けないの・・・だからお兄ちゃんだけでも!!!」

そう叫ぶヴァレンを背負って火の手が迫る家を脱出し、途中で毛布をとって妹とともにに井戸の落とした。

彼女は浮遊魔法が使える。井戸の中ならばここがたとえ火の海になっても助かるはずだ。


「さて。」

僕はその化け物に視線を向ける。悠々と燃え盛る家を歩いてこちらに近づいてくる。

その目には屈服したくなるような圧力があり、どこか見下しているようにも感じた。


魔法の使えない僕に何ができる?石を投げるか?

ひとまずは何か武器を探さなければ・・


「っ・・・・!!!」


その刹那。

白い残像が急スピードで突進してきていた。足に満身の力を込めて横っ飛びして勢いのまま地面に転がった。

何とか避けたかと思ったが、僕は寝転んだ体勢だったため大きく隙を晒してしまった。

急いで上体を起こして立ち上がろうをした瞬間にはもうすでに遅かった。

その太い前足がうなりを付けて眼前に迫っていた。

腕を咄嗟に出したが、僕は大きく吹っ飛び、いくつかの木をへし折って燃えている火に突っ込んだ。

鈍い痛みが体中を駆け巡る。体のどこかは折れていそうなものである。


火が燃え移った服を破り捨てて武器がないか探すことにした。

さっきの攻撃がかなり響いている。左腕はもう使えそうになかった。ヴァレンはこんなに痛い思いをしていたのか。

・・・・・妹の晴れ姿を見るまでは死ぬわけにはいかないな。


そうしている間にも化け物が迫っていた。

氷をやりの様なものが僕にめがけて飛んできた。体をひねって何とか避けたが、二本目が僕の右頬を掠めた。

遊んでいる。わざわざ弄んでいる。

せめて一太刀。

そう決意した瞬間、大きく跳躍し木につかまって、鍛冶屋のある場所に向かった。

せめて武器を確保するために。


案の定鍛冶屋も燃えていた。鉄の剣は熱で変形して使い物にならないだろう。

使えそうなものは・・・・・大きなハンマーくらいしかなかった。これならば多少変形していても使えるろう。

僕の唯一誇れるものは体の丈夫さと怪力である。

僕はそのハンマーを右手一つで持ち上げた。


「ちょうどいいところに来たな。わんころよッ!!」

化け物は避ける素振りもなく結界を張った。

しかし、結界は砕け散り、渾身の攻撃が化け物の横腹と衝突した。

化け物は宙を舞い、空中で体勢を立て直しながら魔法を放ってきた。

一度ハンマーを置いて、全力疾走でその弾幕をよけきった。

再度ハンマーをとろうとした瞬間。遠吠えとともに夥しい数の魔法陣が展開されていった。

それはどれも高度過ぎるもので、魔法が使えない僕ですらその魔法陣のすごさが実感できた。


「あんな化け物・・・・誰が倒せるんだ・・・」


あいつに一撃でも浴びせれた。妹も安全な場所に移動した。


もう未練なんて・・・未練なんて。

もしも、魔法が使えていたら?こんなことが起こらずに平和に過ごせていたら?

未練がないはずが無かった。

「・・・・・・・ふぅ。」

もう後の祭りってやつだ。

「はぁ・・・・ヴァレンの晴れ着姿見てみたかったなぁ。」

淡い光が魔法陣に集まっていく。

ゆっくりと目を閉じる。

・・・・みんな。ごめんね・・・・・




    「鎮まれ。」

落ち着いた口調の女性の声がした。

目を開くと。さっきの化け物よりも一回り大きい白い狼がいた。

しかし、雰囲気がまるで違っていた。荒々しい毛並みではなく柔らかそうな毛をしていて、立ち姿から神々しさを感じる。

「・・・っ!!」


「神・・・獣・・・・?」

父によく聞かされたものだ。この世界には神の使いと呼ばれる獣がいると。

時には生命の息吹をもたらし、時に罰を執行する。

人智を超えた『神力』という力をを持っているそうだ。


「勘が良いな、童(わっぱ)よ」


「ッ!」


「いやぁ、妾(わらわ)の手下が迷惑をかけたのぅ」

何処か余裕のある様な裏がある様な話し方をする奴である。


   「して、童よ。妾と契約せぬか?」




 「・・・・・・・・は???」


素っ頓狂な声を上げると共にその意図を理解しようと必死に頭を働かせた。

しかし、これといった考えが浮かばぬまま数秒の沈黙が流れた。


熟考の末に僕は戦うことを決意した。


話を聞いた瞬間。救われた様な気がした。


・・・しかしそれは、僕の村を焼き尽くし、沢山の命を奪った「悪魔」の囁きそのものであった。


ゆらゆらと揺蕩う炎が様々な角度から影を付ける。

その白が反射する赤赤としたオレンジはより一層美麗さと恐ろしさを際立てる。


心臓が大きく高鳴り、周りの音をかき消すように力強く鳴り響く。

_____ドクッ____ドクッ____ドッ!!


心臓が鳴り響くと同時に満身の力を足に込め、地面を踏み抜かん勢いでその悪魔に急接近する。


虚を突かれたそいつは大きく目を見開き、避ける事もしないまま立ち尽くしていた。


強く握った拳を振り上げる。

歯を食いしばり、人生で上げたことのないように勇ましい雄叫びを上げた。


拳が獣に触れるあと数センチのところで僕の体は静止し、空中で金縛りにあった様に体の自由が無くなった。


「何を・し・・た」


呂律もうまく回らずしゃがれた声で言葉を絞り出す。


「今は話し合いをできる状態じゃないの~

 仕方がないから眠らせてやろう」



圧倒的な気迫を前に、動けない僕は恐れる事しかできなかった。

きっと何をしたってこの化け物を殺すことはできなかっただろう。


・・・魔法が使えていれば。逃げられたのではないか?苦しむ妹を回復させてやれたのではないのか?


それは幾度となく考えた事であった。

走馬灯の様なものが流れる。

それを見て、再び思い知らされることであった。


      【この世界は強くなければ大切な者は守れないんだ】

と



最後の最後までそんな自責の念に駆られながら、深い闇に意識を奪われるのだった。





続編の作り方が分からなかったのでちょっとずつ足していくことにします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。