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妹は僕が守ります

再会いたします。

ゆるゆる頑張っていきますので少しでも楽しんで頂けましたら幸いです。


「父上!もうすぐ弟か妹が産まれるのですね!」

プラチナブロンドの柔らかな髪をフワフワを揺らしながら

父親に尋ねていた。


「そうだね」


「弟かなあ?妹かなあ?楽しみですね!」す


「そうだね」


「父上は楽しみではないのですか?」

先ほどから気のない返事をする父親に疑問をもち

だんだんと不安になってきて父親の返事を待った。


父親は優し気に息子を見つめ

「ごめんね、とっても楽しみだよ。5年前

アーロンが産まれた時のことを思い出していたんだよ」


「ぼく?」


「そう、生まれた時大きな声で泣いてね。

父様はオロオロして母様に笑われたんだよ」


「ぼく、もう泣かないよお兄ちゃんだもの」


「そうだね、でも赤ちゃんが泣くのは、とても大事な事なんだよ

だからアーロンはとってもいい子なんだ」


「そうなんだあ」


父親はうまく話をそらせられたことに安堵したが、

先ほど医師と話したことを思い出し憂鬱になる。


“侯爵様、申し訳ありませんが今回のご出産は

厳しいものになります。産気づくのが早すぎたのです。

赤子はだめでしょう、奥様を助けることを優先いたします。

お許しください”と。


ガチャリと扉が開いて医師の助手が顔を出し、

どうぞと中へと促された。


ぱあっと笑顔になって母親のもとにかけて行く息子に反して

我が子を失ったかもしれない恐怖に動けない自分を情けなく

思い勇気を振り絞って部屋の中へと入って行った。


「母上!弟ですか?妹ですか?・・母上?」

うつむき少し涙ぐんでいる母親を不思議そうに

見つめる、息子に気づき無理に笑顔をつくって


「妹よ、可愛いでしょう」


「わあ、小さいねえ」

「そうでしょう」

母親がアーロンにそう問いかけた時大きな手が

ほほを撫でた。


「あなた・・」

侯爵は何も言わずにそっと妻の肩を抱き赤子の

顔を覗き込む。


「可愛いな・・」


「そうでしょう!父上!僕の妹は世界一可愛い

んだ、母上ありがとう」


「アーロン・・抱っこする?」


「いいのですか?」


「もちろん、あなたの妹ですもの・・」

そっとアーロンに抱かせてあげる。

これが最後の触れ合いになるだろうと、両親は

無邪気に笑い、とても大事そうに赤ちゃんを抱く

息子の姿に涙した。


「小さくて柔らかいですね、でも泣かないですね。

父上?赤ちゃんが泣くのは大事なことですよね?」


言葉につまっていると医師が入ってきた。

「侯爵様、司祭様がこられましたので、お嬢様

をこちらへ」

と、手を伸ばしてくる。


「どうゆうこと!どこに連れて行くの?

父上!母上!妹を連れて行かせないで!」


アーロンが叫んでも父親も母親も何も言わずに

泣いていた。


少し後ろに立っていた司祭が進み出て

「ご子息様、小さなお嬢様は天に帰られるのです。

神様に愛され幸せにお過ごしになられるのですよ

だから安心してお嬢様をこちらへ」


「だめだ!妹はここにいる!妹を一番愛してるのは

僕達だ!どこにも行かせない!」

目にいっぱいの涙をためて、それでも妹を守るように

抱きしめた時、か細い鳴き声が聞こえた。


「・・ふえ・・え・・ふえ」


「上手に泣けたね、大丈夫だよ、兄さまがいるからね

安心していっぱい泣いて、いい子いい子」

優しく話しかけ額にキスを落とした。


「この子は生きようと頑張っていますね、天に帰る

祝福ではなく、今にも消えそうな命ながら生きようと

する気力に祝福を、そして妹を守ろうとする兄の勇気に

祝福を」

そう言うと翳した手から淡い光が2人と包み込んだ。




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