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北条氏政転生 関八州どころか東日本は全部俺の物 西は信長に任せて俺は歴史知識を利用して天下統一を手助けします。  作者: ヒバリ


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 小田原城に到着し、外部の者と会見するための大きな会議室のような広間に、俺たち伊豆衆とスカウトした配下に警備の兵、上座に当主の北条氏康、反対側に譜代の多目や綱成、内藤、大道寺などが座っている。


 彼らは俺たち革新派に対して反抗的だったり対立しているわけではなく、いいと思ったものはいいし、分からないことは親父の氏康から説明を受け、自分から理解して活用しようとしてくれる。ありがたい面子だ。


 まあ、それくらいの使える人物でなければ、この場に居ることもできないというのを示唆していることではあるが。


 そして、それに挟まれるように連行され、下座の中央に座っているのが真里谷だ。その後に千葉、里見と順番に沙汰を知らせる予定だ。まずはもう分かり切っており、さっさと終わる真里谷からやっていく。


 そもそも事の発端は上総の国人の後藤兵庫助が攻め込まれ、大多喜城主の真里谷信清に援助を請い、信清もこれを承諾して、さらに北条氏康の援助を頼んだ事が俺に伝わったのが始まりだ。


 氏康は上総攻略の好機として兵を送り、笹子城は後北条氏の大軍に囲まれて落城した。この事態を知った真里谷信秋は怒ったものの、一人で大軍に抗することも出来ず、久留里城主の里見義堯に援助を求めた。


 義堯は正木時茂・時忠兄弟に出陣を命じ、自らも兵を率いて真里谷信秋と共に後藤の兵と後北条氏の兵の拠る椎津城を攻撃しているところ、俺たちが後方から強襲し、電撃的な進軍で為す術もなく2月ほどで戦が終わった。


 という訳だ。元々真里谷は内部分裂して家督争いでも揉めに揉めていた。そこに里見義堯がちょっかいを出し、片方を勝たせて傀儡化しようとした。それに反発した北条が待ったをかけた、という訳だな。そして、喧嘩が始まって北条が本腰を入れた。


 ここまでは経緯の説明。ここからはこれからの話だ。結局勝った方の真里谷信清勢は勝ったものの被害が甚大で、北条の支援の下で家の名を残す方針に切り替えたようだ。


 「我ら真里谷一族、所領をお任せし、自らの才覚に適した場所で北条の下で励ませていただきます。何卒お引き立ての程よろしくお願いします。」


 そう言って真里谷代表の者と付き添いの代表が頭を下げた。こちらから断る理由もないので、


「こちらこそ真里谷が従ってくれて嬉しいよ。内政に関しては戸惑うことも多いだろうが頑張ってくれ。お主たちが今まで頑張ってきた分の成果には報いるつもりだ。何らかの形でこれまで治めていた土地分の家禄を出そう。これは真里谷だけではなく、今も働いてくれている者たちにもだ。待っていてくれ。」


「「ははっ!」」」


 親父はテキパキと手際よく進めていく。大分前から決めていたのだろうか?だとしたら、どれほどのことを予測しているのか頭の中を見てみたい。


この後、真里谷達には1番後方の奥側に並んでもらう。その次に千葉だ。彼らの判断も難しい。


 「千葉家当主、千葉利胤でござる。」


一応、こちらにはほぼ従属に近い形だが、同盟国として対等に話をしようという態度だな。これは難航しそうだと、皆が顔を顰める。


「北条家当主、北条氏康だ。今回はこちらの要請に応じていただき感謝する。」


少しの沈黙の間、お互いの目をじっと見つめあう。チラッと千葉の息子が身じろぎしているのが目に入った。


「…さて、今回の里見防衛戦の救援に関しての褒美についてだが、何か望みはあるか?できる限り叶えよう」


 お?これは意外だったようだな。こちらからあれこれ言われて褒美を削られると予想していたのが、想定外のいい条件を得られそうだと騒めいている。


「では畏れながら、千葉氏とは別に、我ら原氏が北条傘下へ属することをお許しいただけませんでしょうか?勿論真里谷と同様に土地についてはお任せいたしまする。そのかわり此度の戦働きに見合った役目などに繋がる仕事をこれから任せていただければ幸いでございまする。」


 そう言って原親子は頭を下げた。このタイミングでの申し出は千葉の強気の態度を壊す絶好のタイミングだ。千葉氏で影響力の大きい原氏が抜けることで、千葉家中での権力争いが再燃する。そうなれば収拾がつかなくなって結局は強気に出られなくなる。


 それに原親子は結局自分たちを評価してくれと俺たちに判断を任せてきた。これで俺たちは下手な評価が出来なくなる。原隊は他の部隊と違い、最後の決戦でも一翼を担えるほどの働きだった。それに報いなければ、これから人は付いてこなくなる。自分たちを売り込む駆け引きが上手いな。


「分かった。原氏を北条臣下として認め、安房のまとめ役として働いてもらおう。勿論息子の方は軍事学校と内政官を育てる両方に通ってもらう。」


「ま、待ってください!原氏は千葉氏の重臣でございまする。認められませぬ!」


「武士は己が仕える主君は自由に選べるはずだ。此度の戦では北条家は里見との最前線で原親子の兵を当てさせてもらい、何とか勝利を得ることができた。その場に立つことすら出来なんだお主らの言い分は通らんぞ。働きに見合った褒美だ。」


千葉が慌てて原親子の引き留めに掛かる。だが、その努力は虚しく、原親子に続いて武蔵側と繋がっている国人衆達などの上総西部を手に入れた。


 こうなると千葉はもはや単独で御家を存続させる事が出来なくなる。原一派は武闘派で千葉の軍勢の中核を担っていたのだ。なので彼らが抜けた今、千葉に残された選択肢は一つしかない。


「くっ…、我らも北条の下でこれから励ませていただきます。」


 これで千葉はいただきだ。と言っても反発はあるだろうし、解決しなければならない問題も多い。とりあえずは彼らに内政の授業を受けてもらう。原一派の中で文官志望の者もこれに混ぜる。


「では、千葉殿もあちら側へ。」


真里谷の横の位置に座らせる。図らずとも千葉勢で原親子が1番上座となる形に座った。

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