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戦国時代に行える治療って何だと思いますか?意見ください。
某斉藤転生もののような本格的な知識は主人公にはないです。しかし、歴史物を作る際に昔にあった薬草類は知っているという程で現代の一般人が思いつく範囲でお願いします。
後火縄銃を進化させるならどこを目指すべきですかね?フリントロック式?ボルトアクションは薬莢関連で難しいですよね。
〜里見義堯〜
「では軍議を始める」
横の正木時忠が戦略について説明し始める。簡単な命令だ。息子に本隊3500を率いらせて敵の注目を引く。
そして俺が1000を率いてあいつらが布陣している裏側を取る。奴らは安心しているようだが、あそこは山のとある道を使えば通れるのだ。
最後に、俺の隊をも囮にして、安房の水軍衆を利用して俺に向かった注目の裏をかく。
やつらが奇天烈な武器を使うのは知っておるし、向こうが守る側である以上こちらの被害は大きくなるのは当たり前だ。だが、前面に本隊を引きつけ、本陣がある後方だけなら我が率いれば必ずや落とせるはずだ。武器のせいで抑えられたとしても川からの強襲部隊で決着だ。
最初はその素早い戦いとあまりある武力に冷静さを欠いたが、まだまだ負けぬぞ。俺は里見義堯だ。安房を背負っているのだ。負けぬ!
戦闘が開始してから2刻後、そろそろ息子の方も終盤戦に差し掛かった頃だろうか。こちらから物見や乱破は出していない。北条側に逆に気付かれ、この強襲が無意味になる可能性があるからだ。
親の贔屓目なしにあの息子は武力と統率力は非凡である。アイツなら耐えてくれているはずだ。川の方は安房の水軍衆と酒井に任せた。酒井ならば問題はない。
唯一の不安要素はやはり、兵の練度の差と武器の差だな。向こうの軍は常に訓練を行い、戦闘に備えている常備兵だ。それと我らが知らぬ武器。いや、それだけじゃないな。北条氏政。奴の底が分からぬ。なぜ我らを挑発するような真似をする?万喜城のように落とせばいいだろう。
分からない。分からないからこそ恐ろしい。だから、今からワシ自身の目で確かめに行ってやろうぞ!
「皆の者!もう北条氏政が見えてくるぞ!気張れよ!」
我らの奇襲を読んでいたのか、北条軍は左右の防御を割り切り、こちらに向けて防御体勢を整えている。これは攻めるのは難しそうだが、息子が本隊を引きつけてくれている今以外に攻め時はない。
「者ども!かかれぃ!」
里見軍が雄叫びを上げながら突っ込む。それに合わせて向こうも攻撃を開始してきた。やはり弓を撃つよりも新しい兵器を使って、我が軍の兵をどんどん減らしてくる。
その大きな音は遠く離れたところにいる我々の馬をも驚かせ、馬持ちがうまく突撃できずに陣の形が崩れている。だが、向こうは普通の陣形を用意できなかったのか、弓などは撃ち込まれていない。
「矢は上から降ってこないぞ!正面の攻撃にのみ気をつけて突き進めい!」
俺自身も少し前に出ながら兵を鼓舞して陣地へと詰めていく。そこに敵の長槍隊が槍を振り下ろし、迎撃を始める。その距離まで詰めるとやはり同士討ちの観点から無理なのだろう。後ろに控えていた敵の秘密部隊が後方に下がり、我らの左右に展開しようとする。
左右に展開完了するまでが勝負だな!ここで抜ければ勝てる!
それに、正木の軍が川からこちらに向かって走ってきている!そちらに相手の騎馬隊は軍を割いたようで我らを邪魔する者たちはいないぞ!
「者ども!敵の珍妙な兵器を持った騎馬隊は今は使えぬようだぞ!ここが踏ん張りどころだ!攻めよ、攻めよ!」
ワシの号令に里見軍はより攻勢を強めていく。相手の軍は耐えかねて所々崩れ始めている!もう少しだ!
そう思っていると本陣から若い男が指揮を執りに馬に乗って前へと出てきた。手にはあの奇妙な武器を持っている。こちらをチラリと見て即座に構えて狙いを定める。
いかん!やられる!ワシは咄嗟に馬から飛び降りた。
ダァン!
ワシの後ろにいた馬廻の一人がやられて崩れ落ちる。危なかった。寸前に反応しておらねばやられていたぞ。
「敵の大将は討ち取ったぞ!あとは烏合の衆だ、気張れ!!!!」
くそッ!背中から落馬したせいで息が詰まって意識が朦朧としていて、上手く声が出せぬ。このままではうちの軍が崩壊してしまう!何とか体勢を立て直そうとすると、「えい!えい!おー!」と息子の方にいる北条本隊から勝鬨が上がった。
この戦に対する勝ち目が無くなったのが分かったのだろう。こちらの方も投降が始まった。もう、打つ手は無いのか…そこでワシは意識を手放した。
〜光秀〜
殿に任され前線へと出る。相手の奇襲部隊の指揮を執っている偉丈夫の男が見えている。馬で駆けながら自分専用にいただいた鉄砲でさっと狙いを定め、気付かれる前に撃った。
完璧に捉えたと思ったが、咄嗟に馬から飛び降りられて殺し切ることはできなんだようだが、あの勢いで馬から落ちたら、すぐには復帰できないだろう。ここが畳み掛けるところだな。
「皆の者!敵の大将を討ち取ったぞ!我らの勝ちだ!!!」
兵を鼓舞しながら相手の士気を挫く。実際に里見義堯は指揮を執れないようで、姿が見えない。
こちらが守りながら攻め続けていると、後ろの方からも勝鬨が上がってきた。こちらもそれに呼応するべきだろう。
「勝鬨を上げろ!えい!えい!おう!」
これによって相手の士気は崩れたのだろう。こちらの戦線も決着が付いた。川の方からの奇襲部隊は幸隆殿の騎馬隊が足止めしながら、原隊の半分ほどが救援にかけつけてくれていたため、何とか抑え切ったようだ。
あちらの方でも勢いが完全に削がれて戦線は膠着している。この戦勝ったのは我らだ!
〜北条氏政〜
光秀が後ろの里見義堯本隊に対応しに行ったのを横目に見ながら、川の方から来ている安房水軍であろう荒くれ者達へと向かい合う。足が震える。俺は身長的に馬は乗れないことはないが、少々厳しい為ガタイのいい兵士達に抱き上げてもらいながら周りをガチガチに固めてもらっている。
幸隆本人が突撃離脱を繰り返しながら最後の奇襲部隊をチリジリにしているが、それが祟ったのか何人か抜けてきている。このままなら問題なく対応自体はできるだろうが、一応指示を出しておく。
「長槍部隊に交互に槍を振り下ろさせろ。その間に近づいてきた者達へと鉄砲を撃ちかけさせろ。この角度なら竜騎兵達には当たらん!」
その指示通りに部隊が少しずつ行動していく。一つ一つの言葉の重みというものが俺の肩に圧し掛かる。一つ指示を間違えれば俺の大切な民が死んでいく。俺はこの業を背負っていくのだ。だからこそ迷ってはいけない。
「幸隆達を引き揚げさせろ!竜騎兵はこのまま俺の護衛兼鉄砲隊に混ざれ!騎馬隊には右後方で突撃の準備をさせておけ!本隊は正面、川側どこにでも駆けつけられるようにしろと言っておけ!」
指示をしている間に正面の囮部隊が降伏したようだ。完全に周りを囲まれて、後は撃つだけという状態で、勘助が降伏勧告を出したそうだ。いい判断だ。
そしてすぐに勝鬨を上げさせたようだ。それに呼応して光秀達も勝鬨を上げる。相手の戦意は脆くも崩れ去った。どうした?義堯がいるならば食いついてくるだろうに、光秀が討ち取ったのか?
とりあえず考えるのは止めて、こちらも勝鬨を上げさせる。そのまま突撃してくるものは討ち取らせる。捕縛させようとして兵を傷つけさせる訳には行かない。
抵抗の意思がない者には投降を許し、武装解除をさせていく。この戦、我らの勝ちだ。
だが、考え直させることや反省させられることが多い戦いだった。




