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戦国時代に行える治療って何だと思いますか?意見ください。
某斉藤転生もののような本格的な知識は主人公にはないです。しかし、歴史物を作る際に昔にあった薬草類は知っているという程で現代の一般人が思いつく範囲でお願いします。
後火縄銃を進化させるならどこを目指すべきですかね?フリントロック式?ボルトアクションは薬莢関連で難しいですよね。
「光秀!!!!!よく分からないが、何かがおかしい!なぜあいつらは負けているはずなのに、あんなに耐えながら整然とジリジリ後退しているのだ!何か狙っているぞ!」
はっとした表情で光秀が思案を巡らせている。勘助にも知らせるように風魔の一人を使って連絡させる。
考えろ!負けている側が耐える理由は!?
味方の援軍を待っている?いや無い。それなら籠城をすればいい話だ。
こちら側からの寝返りを待っている?それこそありえない。原親子は血判状を書いてまでこちらに従うと言ってくれているし、実際自分たちの兵に大きな被害を出しながらもこの前線で踏ん張ってくれている。
それに裏切るならもっと早くに裏切れた筈だ。
なんだ?罠がある陣地まで引き込むつもりか?だが、向こうの兵士が出てくることなんて斥候以外にはなかった。それこそ無理だ。
起死回生の一手といえば…桶狭間!そうか!義堯は自分を囮に奇襲をするつもりなのか!?
「光秀!」「殿!」 同時に、
「「奇襲を警戒!」しましょう!」
「鉄砲衆はそのまま横列陣形で左右に分かれよ!左側は光秀に任せるぞ!右側は俺が見る!」
「承知いたしました!」
端的に伝えるべきことだけを伝えて、すぐに周りの警戒に移行する。
「小太郎!」
「はっ!」
「お前達なら大丈夫だと信じているが、この戦の流れではもしかしたらということもあるかも知れん。奇襲をさらに警戒しろ!何しろ安房は不慣な土地だ!地の利は奴らにある!」
「ははっ!既に勘助様への報告に行った者が奇襲を警戒せよと、勘助様から指示を受けて動いておりまする!それに合わせて竜騎兵も半分こちらに向かっておりまする!」
「わかった!中央から黒鍬衆を呼び戻し、光秀の方の前面に並ばせろ!原隊と中央前面、それに右翼は本隊をこのまま押し潰せ!右翼の後ろは俺と勘助で何とかする!」
「ははっ!」
各伝令が今の命令を伝えに走り出す。
来るとしたらどこから来る?まずは敵から見えづらくバレない位置からが妥当だ。左側は川で右側は我らが利用した林と山だ。来るなら右側からか?いや、それなら竜騎兵を入れる前に風魔が警戒して調べているはずだ。
正面は今戦っている。となると、残る選択肢は山を迂回しての後方からの奇襲!もしくは川から船で降りてきての強襲だ!
「光秀!数人斥候を出して川から下ってくる軍勢がないか警戒!そして後ろ側に向けて横列を引くぞ!右側と左側は放っておけ!多分本命は後ろだ!急げよ!もう時間はない!」
俺たちはとりあえず前面を張る黒鍬衆を先頭に立たせて盾を多めに持たせる。今回は引きつけることもなく、一斉射の後に連射だ。日頃から訓練を積んでいたおかげで、敵が見える頃には何とか陣が形になった。
「来ました!里見の奇襲部隊1000です!率いているのは里見義堯本人でございまする!」
「ということは、正面側は息子の方か!」
うおおおおお!
奇襲部隊が雄叫びを上げながら我武者羅に突撃を仕掛けてくる。こちらはそれを見て射程距離に先頭集団が入った瞬間に一斉射を行い、連射を始める。
相手はどんどんと落馬していき、死体が積み重なって行くが、それを踏み越えてこちらの陣へと突っ込んでくる。本隊が前面に達しようとするのを長槍隊が槍を振り下ろして防ぎながら、横合いから鉄砲衆が撃ち掛け、何とか守り切っており安心していると、
「伝令!川の方から里見軍が現れました!殿の予想通りに船を使って下ってきたようです!数は500ほど!」
「なんだと!?これも囮だったのか!?」
くそっ!里見義堯、さすがの武略だな!全く嬉しくないがな!
「正面の戦いはどうなっている!」
「現在勘助様の指示で包囲を完成させ、矢を射かけながら徐々に包囲を狭めておりまする!」
「竜騎兵はもう使わないだろう!こちらに回せ!別働隊500に向けて突撃させろ!決死の突撃ではなく相手の出鼻を挫き、隊列を乱して勢いを殺すような戦い方をさせろ!幸隆ならそれで分かるはずだ!」
くそっ!くそっ!くそっ!後手に回っているのが分かる。こんな所で負けてたまるか!正直、川越夜戦の前哨戦くらいにしか考えていなかったこの戦で死を覚悟している。俺はなんて甘かったんだ。この時代の人間は修羅だ。生きるために殺し、生きるために奪う。そして、生きるために死ぬのだ。俺にはその覚悟が先ほどまで無かったのを嫌でも自覚させられる。
「お味方の竜騎兵が兵を二つに分け、交互に突撃と離脱を繰り返しておりまする!また、正面もそろそろ決着が付きそうにございまする!」
「光秀!このままではジワジワと嬲られてこちらの被害も大きくなる!それに里見義堯の軍がこちらを抜きそうになっている!どうにかならないか!正面の部隊はもう少しだそうだ!」
光秀は少し思案した後、
「では!私が前に出て前線で指揮を執りまする!申し訳ないですが殿にはお下がりいただきたく!」
「それはできぬ!一人の男として!一人の将として!お前らの当主として!俺はここで引く訳には行かぬのだ!」
戦はまだ続いており静寂なんてあり得ないはずだが、まるでここだけ静寂が訪れたかのように俺の声が自陣に響いた。
うおおおおおー!!!!!!!!
図らずとも味方の士気を高める檄になったようで、こちら側が勢いを盛り返し始める。
「俺はここにいる!光秀、敵を通すなよ!」
「はっ!命に代えましても!」




