294開戦(先陣)
◯上杉方の布陣
囮
侍大将 村上義清5000 野尻湖
大将 上杉実虎 ?騎馬
侍大将 小島弥太郎 1000騎馬
本陣 ?000 黒姫山?
内訳
副将 直江景綱1000
侍大将 長尾政景2000
侍大将 宇佐美定2000
侍大将 本庄繁長1000
侍大将 斎藤朝信1000
◯武田方布陣
夜襲部隊
侍大将 山県昌景 1000
本陣12000 黒姫平野
内訳
大将 武田信玄3000
副将 武田信繁2000
侍大将 多田満頼1000
侍大将 穴山信君1000
侍大将 板垣信方1000
侍大将 飯富虎昌1000
侍大将 秋山信友1000
侍大将 春日虎綱1000
侍大将 小山田信茂1000
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決戦の夜、山県昌景は野尻湖に布陣し篝火を焚いている村上義清の軍を闇から見つめていた。こちらに来たのは昼過ぎからで先遣隊の5000が続々と集結していた。
「お主達!相手がいくら多くとも我々が闇夜に乗じて攻撃するのだから混乱は必死!恐れずに荒らして敵を斬りまくるのだ!行くぞ!」
兵を鼓舞しながら自身も太刀を抜き山肌を駆け降りていく。
最初から全力で走るのではなく、徐々に速度を上げていく事で襲撃をかける時に十分に戦える様にする。
この様な戦の呼吸は歴戦の猛者である山県だからこそできた事だ。
「篝火を倒せ!奴らの備蓄を焼き払うのだ!」
いくら3000超えの軍といえど油断していた、もしくは休息していた時を狙われてはひとたまりもなかった。
山越をした農兵達にとって気力も体力ただただ限界だったのだ。
そんな敵に対して何度も死線を潜り抜け、史実ほどではないが飢えに苦しんでいた農民が自分たちの食い扶持を奪われるわけには行かないと士気を十二分に溜め込んでいる武田兵が負けるはずもなかった。
蹂躙、その言葉にふさわしい様に赤備えは次々と上杉の兵を斬り殺していく。
最初のぶつかりからある程度の衝撃を敵に与えそろそろ引き時かと言う時に奥から味方を気にせずにかけてくる敵がいた。
「やぁぁあまぁぁぁがぁぁぁたぁぁぁあ!」
それはこの軍を率いていた本人である村上義清だった。
山県を見つけると馬周り達に道を開けさせ、1人山県昌景に突貫した。
「はっ、誰かと思えば御屋形様に負けてすごすごと引き下がった猿ではないかっ!」
山県は連れてきていた馬に素早く乗ると馬上槍を持ち村上義清を迎えうった。
ガギィン!
少なくとも農民同士では出せない様な力と重さが溢れる音が戦場に響き渡った。
赤備えの進軍はある程度の収束を見せていたこともあり村上義清を囲む形で将の戦いが始まったのである。




