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社会人2年目 え?早すぎないか?
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1554年 5月 北条氏政
「ふむ。半兵衛、これはどう思う?」
信玄からきた手紙を半兵衛に見せてやる。他の奴らも気にしてソワソワし始めていたので書類整理の仕事を一時休憩にして他の奴らにも見せてやるように指示する。
今は、俺を筆頭に 竹中半兵衛 木下秀吉 井伊政直 真田政綱 恵瓊 本田正信 北条氏照達が仕事に励んでいる。
政豊や勘助などいい歳をしたもの達は、前線や地域の文官武官のまとめ役として政虎の様に各領地を任せられている。
それもあってなるべく歳が近いもの達が今の側近として侍っている形だ。
特に半兵衛と恵瓊は同い年で2人とも頭の回転が早いため仲良くしているし、秀吉、政直、政綱も近い歳で仲がいい。
氏照は最近になって傅役達から許可をもぎ取り俺の元へやってきた。本人のやる気は高く、俺のようになりたいと常々頑張っている。
他の奴らとしてはやりづらい事この上ないと思うが、俺の前ではただの一見習いとして扱うように厳命しているため同僚に対する態度で接している。
「兄上!私は是非とも武田を支援するべきだと思いますぞ!」
氏照が半兵衛の元にある文を読んで発言してくる。
「ふむ、なぜそう思うのかな?」
「はい!武田は三国同盟を結んだ盟友にございまするし、上杉は関東管領を名乗る敵にございまする!」
ハキハキと答える姿は好感を持てるが、まだまだ甘いな。半兵衛や恵瓊は苦笑しているし、他の3人は無表情だ。
「さて、こう言っているが半兵衛はどう思う?」
「私は両者共に支援するべきかと。そして、支援するのは軍に対してではなくなるべく戦地に近い民に対してすべきだと思いまする。
また、この機会に今川殿の領地を使う事で織田と武田に対する牽制を行うべきかと。
加えて、三国峠を使って越後の支援をさせて貰えるように要請するのがよろしいと思いまするな。」
隣で恵瓊がしきりに頷いている。2人とも同じ考えか。
「俺もそう思う。何故かわかるか氏照。」
氏照が手を組み考える。その間に俺は光秀や政虎達に向けて文を書き始める。
「すいません。わかりかねまする。」
「恵瓊、説明してやれ。」
「はっ、北条としてはどちらが勝とうがどうでもいい事だからです。北条が日の本を統一するにあたって現在手を組むに値するのは朝廷と織田家、あとは佐竹くらいでしょうか。
それ以外は全て潰すのでどうなろうと良いのです。
となれば、重要なのはその土地に住む民にございます。よって我々は軍、ここでは武田家、上杉家両家を支援するのではなくその土地に住まう民に北条への気持ちを植え付けるのです。
あいつらは戦って土地を荒らすだけなのに、北条は助けてくれる。北条の土地は豊かで住みやすいらしい。なんで俺たちは…。と思わせられれば勝ちですな。」
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