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「爺よ、伊勢と大和にとどめを刺す時が来たようだぞ。」
信長は里見義堯との謁見を終えたのちにすぐに自室へと戻り一番信頼している相談相手でもあり参謀でもある平手政秀に貰った書状を見せながら話しかけていた。
「ふむふむ、なるほどですな。確かに良い機会でしょう。しかし、氏政殿はこの遠い尾張の事までよくご存知ですな…。」
政秀はチラリと信長に流し目をやる。
「わかっておる。鉢屋衆を手元に置き何とかして領内の防諜だけでもできるようにせねばならぬとはな。だが、氏政たちとは敵対するつもりは毛頭ないゆえに問題はないと割り切るべきであろうな。むしろ、奴に織田領内の護衛でも頼んでみようかの?」
はっはっはっと信長は快活に笑い声を上げる。その様子を政秀は、はぁとため息をつきながらも思い切りと決断の良さに底知れない安心感と畏怖を抱いていた。
「さて、氏政殿からの情報をまとめると信秀様が追い詰めた2家が連合して弾正忠家を叩く為に準備をしているとのことですが…」
「うむ、といっても奴らの残りの主要な城は清州と岩倉、犬山程度だ。どれだけ兵をかき集めたとしても2000〜3000程である。問題はないであろう。普段ならばな。」
そう、信長ももちろん分かっているのだが弟である信勝を担ぎ上げて弾正忠家の足元をぐらつかせようとしている奴らがいる。
「爺よ、戦の時領内の事は任せるぞ。一斉に掃除をしろ。」
「はっ、…ご母堂と弟君はどうされるおつもりで?」
「母上にはどこか静かなところで療養でもして貰おうぞ…そうだな、信勝にはほとぼりが冷めるまで北条にでも学びにいってもらうか。母上も心配ならばついていけば良い。」
「そ、それは対外的には北条家の風下に立っているように見えまするぞ!?」
信勝、つまりは信長の弟を他家に送るのは人質の意味合いが強い風に取られてしまう。
「別に良い。それで我々の価値が下がるわけでもなし。敵が侮ってくるならばそこを突くまでよ。何、今川武田への牽制にもなるであろうし信勝が上手くやって北条から知識を得てきてくれればさらに上場よ。」
信長にとって同じ目線で語り合え、時には学ぶところもある氏政は唯一無二と言ってもいいほどこの戦乱の世の中において信頼できる他人であった。そのため、氏政に頼る事に一切のしがらみはなく、むしろ利用しきってやるとさえ思っていた。
「はぁ、そこまでお考えならば爺は何も言いませぬが…。家中の反発は避けられませぬぞ?」
「正当な理由なく我に反発するような阿呆が分かるの。それならそれでよい。纏めて処分してくれようぞ。」
これはもう何を言っても無駄だと政秀は諦め伊勢と大和の動きを確認するために部屋を出ていった。
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