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初心者講習会・・

ターニャーはマオの寝顔を見つめている。


疲れきった様子で肌からツヤが失われている…


人領に入ってから知ったが自分が感じているのは母性本能というより庇護欲だと思われる。


これまでは、マオ様の言いつけ通りにしてきた。

講習会での出来事は気にしないこと。

講習会が終わるまでは私が逃げようとしても連れ戻す事等…自らの逃げ場を絶ったのは、マオ様自身が精神が脆弱になられているのを悟ってるからだろう。


講習中に逃げ出そうとしたのは今回を合わせて13回目…


ちなみに明日で初心者講習会7日目てある。


講習会初日

マオにとっての災難は隠蔽の腕輪以外の全て装備を外さなければいけなかったことから始まる。


ステータスには反映されないが隠れ要素として。

HP、MP、SPが存在する。

HPは生力を参照

MPは魔力を参照

厄介なのはSPはスタミナでステータスからは察知する事は出来ない。


マオが装備していた癒しの靴は生力つまりはHP自動回復機能以外に隠し効果としてSP回復機能も備わっていた。


にもかからわずHP全快のままSPが尽きてしまいゴブリン達にとらわれてしまった。

SP回復速度を上回ったせいだ。

SPの量、消費量は鍛錬により変動する。

12歳の姿で誕生したてのマオのSPは子供より低い…

装備の力で、誤魔化せていたのが露見した。


講習会の最初はザクロの街外周を良いと言われるまで走り続ける事から始まった。


マオは半周もいかずに力尽きた。

教官に水をぶっかけられ、罵倒を浴びせられながらも継続するも足が折れた物理的に…疲労骨折…

普通ならそれで終わり。


しかし、魔法という奇跡が存在する場合は違う。


男の神官がやってきてマオの骨折を治す。

彼は初心者講習会の為に教会から派遣されてきた。

上級治癒魔法の使い手である。


骨折は治ったがSP、体力が回復したわけではない。


マオは逃げ出した。

しかし、遅すぎて逃げれなかった。


マオは泣きながら懇願した。

ターニャーが現れた。

ターニャーの説得。

マオは聞く耳を持たない。

ターニャーの説得。

マオのイヤイヤ攻撃。


ターニャーは影縛りからの影操術を発動

マオは強制的に講習会に復帰した…


・・・


マオが骨折すること数十回目

強引に体を動かされてるので仕方はないとは思う…


神官が他の受講者達に回す余力もないと言い出した。


これで、終わり???


マオは内心歓喜する。


ターニャーが魔力回復薬を大量に神官に無料で譲渡した。


マオは発狂して逃げ出そうとした。

しかし、体が動かない。


ターニャーと目が合う。

逃がしませんよ?と目が語っていた…


結局講習会初日は街の外周を一日中走らされた…


受講者は全員、胃の中をぶちまけようが、骨折しようが、逃走しようが、日が暮れるまで走らされ続けた。

いや、もはや走ると言うより…匍匐前進…

足が動かないなら手を使え理論。


マオだけは、影に操られて走ってはいた…

意識飛んで魂まで飛んでいってそうな状態だったが…


初心者講習会の内容は

何代目かの勇者が伝えた新兵訓練を参考にしているらしい…ブートキャンプ…


初日でマオの目から光が消え失せた…


1週間でマオは心身共に限界をこえているだろうが、ターニャーによって強制的に続けさせられている状態だった…


幼児虐待…


・・・初心者講習会教官・・・


今回の初心者講習会に要注意が受講したとの知らせを受けた。

問題の受講者を見た時、10歳ぐらいの少女が隠蔽の腕輪をしていて、腕輪には辺境伯の家紋があった…

確かにヤバイ…

契約書に署名してるとは言え何かあったらそんなものは握りつぶされる…

貴族のお嬢様だし、泣きべそかいてすぐに帰るだろし従者が止めに入ると思ってた・・・


従者の方がやばかった。

本人の意思関係なく強制的に続行させとる…

足が折れない限り走り続ける…折れても神官が治す…

こんな状況を親に見られたら首が飛ぶwww


報告されても無理か…

あれ?詰んでない。

神官も顔色悪いくなってきたな…


止めに入ろうとした教官の1人が従者に気絶させられてからは誰も止めようとしねぇ…まあ、俺もその1人だから人の事はいえねぇが…

魔力回復薬とか高価なもん大量に渡してるし…

世間知らずの娘が冒険者目指すと聞かないから現実をわからせるとかじゃないな…

マジで、冒険者にしようとしてるのか…


1週間たとうとしてるが全く成長がみられない…

普通ならもっと体力や筋力ついてもおかしくないんだが…

いや…気を失う頻度は減ってるか?

しかし、体力も筋力も無いのに剣の腕前は素晴らしかった。技では完敗だった…すぐバテて決着がついてしまったが…


そういえば、失望症と呼ばれる原因不明の病は、ある日突然発症して徐々に力が失われていくという…

呪いとも言われる病だが時が経てば治るのだが、それまでは寝たきりの生活が続き短くとも2年はその状態が続くと言う。衰弱死してしまう可能性も高く。

治っても、失われた力を元に戻すのには血の滲むような努力が必要だと言われている。大半は衰弱死してしまうし、治ったとしても元の生活に中々戻れない事から精神を病んでしまい自殺に至る事もある…

あの子がそうでは無いだろうか?


あれ程の剣の腕ならば神童と呼ばれていたに違いない…従者が厳しく接するのも主を思っての事か…

だとすれば我々はあの子が元に戻れるように厳しい指導を施すのが1番ではないか…


さっそくこの事を他の教官達に伝えにいく。


これによりマオの講習メニューは他の受講者より遥かに過酷になっていく…


結果…1日のほとんどを気絶したまま体だけ動き続ける状態が続いて他の受講者達に"屍姫"と呼ばれるようなった…それが2つ名に定着してしまうのであった…


・・・


気がついたら初心者講習会が終わっていた…

1ヶ月…拷問だった…

レベルが上がりにくいだけでなくステータスも伸びにくいとか…村人未満ではないだろうか?


他の受講者達のステータスは5倍ぐらいは増えてるのに…


ステータスを確認するマオ


名前 マオ

種族 魔王

性別 女

年齢 0歳

称号 屍姫

レベル 3

生力 2070(+1000)

魔力 325(+300)

力  330(+300)

守  320(+300)

速  70(+50)


スキル

前借り★(隠蔽)、鑑定★、収納★、女神の加護★、仮の器★(偽装)、下級暗黒魔法、鬼神の加護


次回必要経験値2500


いや、おかげでレベルは上がったけどさ…

変わりにいろんなもの失ったよね…

何か変な称号ついてるし…


屍姫

意識がなく動き回る姿を見てゾンビの様だった事から名付けられた。2つ名として冒険者カードに記載される


いらねぇ…


何か想像してたのと違う…

これなら魔物狩まくってる方がマシだった…

これからは、装備の力で無双する!


宝物庫から持ってきた魔王剣を取り出すマオ。


要求値が足りていないため装備出来ません。


「鑑定…」

魔王剣デュランダル

攻撃力???


魔力を注ぐことにより無限に攻撃力を上昇させる魔剣。刃の部分は魔力が具現化しているものである。

錆びる事はなく刃が折れたとしても魔力を注げば元通りになる。


装備要求値

魔力 666万

力  666万


そのうち使えるようになる…はず…


剣を収納するマオ。


・・・さて、結果として初心者講習会受けた事で精神操作?思考誘導?みたいな状態からは解放されたっぽいなかな?一人認証はせっかくだし"私"にしとくか…


勢いというか考えなしの行動がファインプレー?だったのは良かったけど、今後のこともあるし女神に状況を確認したいな…


前任者の言葉どおりなら、聖国の大聖堂がシステムの中枢だから神界と1番繋がりが大きいから会話しやすいって言ってたな…"聖都セイルーン"にある大聖堂を目指すか…


「ターニャー、女神とコンタクトが取れなくなったから聖都セイルーンにある大聖堂に向かうよ。冒険者ギルドで丁度いい依頼あるか見に行こう。」


方針も決まりターニャーに声をかけるマオ


「え、女神から召集されているのではなかったのですか!?」


はい?どういう…!?


自分の周りが光輝いているのに今気がつくマオ


「強制召喚陣!?ターニャー何とか出来ない!?」

「召喚術式に割り込むと最悪マオ様の仮の器が壊れる可能性がありますがよろしいでしょうか…」


「よろしくないね!?えっと…出来るだけ人は殺さないように!追跡無理なら聖都で合流で!!!」


そう言い残してマオは召喚陣と共に消えた。


・・・


ターニャーは索敵範囲を限界まで引き延ばす…

マオの魔力反応を感知出来なかったターニャーは聖都を目指すのであった。


(マオ様…どうかご無事で…)






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